チェンという姓の50歳の女性は状況が改善されるかどうかを見極めるため、広州であと1年働くつもりだと打ち明けた。彼女の月給は7000元で、家賃などの経費に約1000元を充てているが、コロナ流行時は製造業務が突然停止されたり受注が落ち込んだりして、給料が半分以下に減らされた月もあったという。
故郷の湖北省に戻れば、出費は減るだろう。農作業とスーパーマーケットなどでのパートタイムの仕事で稼げば、広州での仕事と何とか同じ程度の蓄えができるかもしれないと、彼女もまた名字だけ明らかにするとの条件で話してくれた。
労働力不足には業界や地域によってばらつきがあるようだ。アップルのサプライヤー、フォックスコン・テクノロジー・グループは工場に従業員を戻そうと特別金を支給。同社が河南省鄭州市に置くアップルのスマートフォン「iPhone」組立工場では昨年、バブル方式での運営中に従業員が大挙して歩いて帰宅するという騒ぎがあったが、今は生産が正常に戻りつつあるとフォックスコンは説明している。
浙江省と福建省にも製造業の拠点があるが、労働力不足には直面していないとしている。受注が弱く、人員を大きく増やそうとしていないとの報告もある。
中国は短期間に労働集約的分野で優位性を失う可能性
在中国欧州連合(EU)商工会議所のヨルグ・ワトケ会頭は、労働集約型の産業に働き手を呼び込むために必要な高い賃金は、低コストの労働力供給源としての中国の長年の優位性を損なう可能性が高いと分析。
「中国は間違いなく、極めて短期間のうちに、労働集約的な分野で得ていた全ての機会を失うだろう」と述べ、バングラデシュやベトナム、インドネシアなどが有利になると予想。「中国が競争力を維持したいのであれば、出稼ぎ労働者に気を配る必要がある」と論じた。
原題:Covid Zero Broke the System That Keeps China’s Factories Running (抜粋)
--取材協力:、、、、、、.
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著者:Bloomberg News
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