留萌本線「石狩沼田ー留萌」廃線、苦渋の決断の裏 3月末で終了、また一つ消えるJR北海道の路線

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この鉄道維持を主張する流れが変化したのが、2022年7月のJR北海道の提案であった。

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すなわち、バス等への転換を図るに際して初期投資をJR側が負担するほか、一定期間は自治体負担分にも支援するとの従来の提案に加え、新たに沼田に着発するバス路線を確保するには事業者との折衝に時間を要する事情をJR北海道が呑み、二段階での廃止を提示したのだ。

結果、3年の調整期間を設ける案で合意しさらにJRが地元に求めていた折り返し設備の新設費用と赤字負担について、全額JRが持つとしたことで8月の最終合意に至っている。代替交通に対してJRは18年分の支援を行い、各自治体にも7000万円のまちづくり支援を行うことも項目に盛り込まれた。

最終営業日は2023年3月31日

かくしてJR北海道は2022年9月9日、留萌本線石狩沼田―留萌間35.7kmの鉄道事業廃止届を国土交通大臣へ提出した。

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鉄道事業法では廃止日の1年前までに届け出ることを定めているため、廃止予定日は2023年9月30日とされた。だが、関係地方公共団体および利害関係人に意見を聴取した上で、廃止しても公衆の利便を阻害しないと判断された場合は廃止日を繰り上げ可能とも定められており、北海道運輸局が11月に意見の聴取を行った結果、12月に繰り上げ可と判断された。

これを受けてJR北海道は廃止日を2023年4月1日に繰り上げることを改めて届け出、これにより石狩沼田―留萌間の最終営業日は3月31日と確定した。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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