トヨタ新体制に見たレクサスとEVの確かな道筋 従来と違う次世代BEVはプレミアムブランドが担う
そうした環境変化に対するレクサスの対応が、やや遅かったのも事実だろう。ようやく、今春から初のBEV専用開発車となる「RZ」が投入され、キャッチアップしていく段階である。このRZ、試作車に乗った印象ではクルマの完成度は高く、またクルマ好きがソソられる要素も備えている。大いに期待が持てるが、世界の潮流からすれば、商品開発、ラインナップの拡充など、もっと勢いを増していく必要があるのも確かだろう。
我が意を得たりというのは、そういう意味である。世界のライバルの動向に対するブランドの現在地として、若干もどかしいような思いを抱えていただけに、レクサスが次世代BEVを起点とした事業改革をリードしていくという方針がハッキリ示されたことに非常にポジティブな印象を抱いたのだ。
新たにレクサス部門のトップに就く渡辺剛氏の横顔
新体制の発表と同時に、これまで佐藤新社長が就いていたレクサスインターナショナルのプレジデントの職には、現在は同ブランドでLE開発部 部長を務める渡辺剛氏が就くと明らかにされた。LE開発部とは「Lexus Electrified」のこと。先に記したRZ、そして2020年に発売された「UX300e」と、BEV2車種の開発責任者を務めた氏が、まさにこれからのこのブランドを率いていくのに最適な人物であることは間違いない。
付け加えるならば渡辺氏は現在、筆者と同じ50歳。語り口は柔らかく、おしゃれでもあり、その意味でもプレミアムブランドのトップとして申し分ない……というのが筆者の個人的な印象である。
プレミアムカーのユーザー層に響く「電池やプラットフォーム、クルマのつくり方など、すべてをBEV最適で考えた『次世代のBEV』」とはいったいどんなものになるだろうか。ハードウェア面でのBEVに最適なクルマのあり方のナレッジは、すでに集積が進んでいるという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら