日本人がやりがち「日本語発想の英文」克服のコツ 英語的な発想を理解することが必要不可欠だ

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例えば、この文の後半部分の「私は近所の小さな食堂で、新しい食文化を学んだ。」という文を英訳すると、At a small neighborhood eatery, I learned a new food culture. と書く人が多いと思います。もちろんこのような内容を瞬時に英語にできるのは大事なことではありますが、それに加えて日本語で発想したら書けないような英語にできるようにしておくと、表現の幅が広がります。例えば、同じ内容をIという一人称主格代名詞を使わずに書けるでしょうか? そのために必要な3つのステップをまず身につけてみましょう。

1つ目は、At a small neighborhood eateryという「前置詞+名詞」から「前置詞」を取って、A small neighborhood eateryという「名詞のカタマリ」を作り、それを直接S(主語)にすることです。

2つ目は、その後に「make OC」を続けることです。ここでは「近所の小さな食堂は、私が新しい食文化を学ぶことを簡単にした。」と考えて、A small neighborhood eatery made it easier for me to learn a new food culture.にできます。

3つ目は、「make OC」に頼りすぎずに、他の表現も使ってみることです。make it easier for~ to Vはhelp~(to)Vに書きられるので、A small neighborhood eatery helped me(to) learn a new food culture. になります。

このように、基本となる無生物主語+make OCという形を、他の動詞に書き換えてみるのが最初に覚えたい「型」です。英文を読む際に、難しい単語が使われていなくても、このような英語らしい発想を良質な英文から見つけ出して真似ていくことを心掛けてみてください。

AsやBecauseなどの接続詞を使わない表現方法も

日本人学習者は、「As SV, SV.」などの「接続詞SV, SV.」を多用する傾向があります。それを瞬時にアウトプットできることは大事なことではありますが、他の表現方法も身につけておくと、さらに表現の幅が広がります。そのためにはどんな方法を使えばいいでしょうか?

先ほどのエッセイの続きで、「その店は手頃な値段の定食を出していたので、若者が常連客だった。」という内容を英語にするとします。直訳するとAs it served reasonably priced set meals, the shop was patronized by youths.になりますが、バーダマン先生のエッセイでは次のような英文になっています。

The shop, which served reasonably priced set meals, was patronized by youths. 

先行詞に補足情報を加える「,which」などの非制限用法の関係代名詞は、理由も表すことができるのです。これを使えば、asやbecauseに頼りすぎずに理由づけができます。ちなみにここでのbe patronized byはbe popular amongの言い換えと考えると使いやすくなります。

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