ジャック・マーが米中対立を憂い、語っていた言葉 2012~2018年、富豪となり引退を決意する頃の生声

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アリババ・ドットコムの日本語版サイト(画像:Alibaba.com公式サイト)

<2016~2018 《旅立ち》
アリババがアジア企業として最大の時価総額を誇る中、マーは会長からの引退を発表。一人の教師として、人生を通して叶えたい次の夢へと動き出す。>

21世紀になったいま、中国とアメリカが健全で前向きな関係であることは非常に重要だ。世界第一、第二の経済大国が協力し合えば、貧困、病気、環境など、多くの問題を解決できるはずだ。
だが、もし協力し合えなければ、待っているのは破滅だ。
――2016年11月14日CNN


グローバル化とは、世界中で起きていることを大切に考えることだ。
グローバルな視野を持たなくてはならない。アフリカの小さな国で起きている問題だって、あなたに影響を及ぼす。
成功したいなら、そういう考え方をしなければならない。
――2016年12月2日 『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』紙 中国会議


私が生徒たちに教えていたことはすべて、本から学んだことでした。だから教壇を離れて、自分で実際に何かを作り上げ、それから教壇に戻れば、もっとよい教師になれると思ったのです。それがもともとの考えでした。
別に金持ちになりたかったわけではありません。
――2017年7月20日 ナイロビ大学


ほとんどの人たちは、自分の目で見るまでは信じない。
しかし本物の起業家、本物のリーダーは、まず信じる。そして、そのあとにそれが現実のものとなって目の前に現れる。
私たちは未来を信じる。そうすれば、私たちが信じたことが未来になる。
――2017年9月25日 アリババ主催のイベント 「ゲートウェイ17」

働くために生まれてきたのではない

私の人生について言うなら、私はオフィスでは死にたくないと思っています。私はビーチで死にたい。自分の人生を楽しみたい。
なぜなら、私たちがこの世に生まれてきたのは、働くためではないからです。私たちがこの世に生まれてきたのは、人生を楽しむため、友だちを作るため、よい家族を持つため、そして世界中を旅するためです。
――2017年12月5日 フォーチュン・グローバル・フォーラム

 

ジャック・マーは3人いる。1人目のジャック・マーは、人々の想像によるジャック・マーだ。ジャック・マーはすごいとか、ジャック・マーはだめだとか、そういうのは人々の想像だ。2人目のジャック・マーは、アリババ集団のCEOで、創立者、会長のジャック・マーだ。
3人目のジャック・マーは、本当の私だ。歌うのが好きで、踊るのが好きで、楽しむのが好き。街を歩き回るのが好きだ。
――2017年12月5日 「スクワークボックス」

ジャック・マーの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実
『ジャック・マーの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実』(文響社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。


世界には、実に多くのチャンスがある。なぜって、この世界には実に多くの苦情があるからだ。そのうちの1つでも、あなたがその苦情を解決することができれば、それこそがチャンスになる。
――2018年5月3日 テルアビブ大学


私にはまだ、(引退後に)追いかけてみたい夢がたくさんあります。私のことをよく知っている人たちは分かっていると思いますが、私は何もしないで座っているのが嫌いです。私はこれからもアリババ・パートナーシップの創立者としての役割を果たし続け、アリババ・パートナーシップの仕事を続けます。
それから、教育の仕事に戻りたいと思っています。それを考えると、幸せで、わくわくしてきます。教育こそ、私が愛する仕事だからです。
世界は大きく、私はまだ若い。だから、新しいことをやってみたいのです。だって、新しい夢が叶ったら、それはすごいことではありませんか。
――2018年9月9日 顧客、社員、株主への手紙

スク・リー 編集者

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Suk Lee

米国の多くの出版社で働いてきたベテラン編集者。ニューヨーク大学卒業(英語文学専攻)。ニューヨーク市在住。

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Bob Song

中国の出版・IT業界で長く働いてきた。北京在住。

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