草彅剛「罠の戦争」"ライト化"しても評価される訳 「復讐シリーズ」は"国民的ドラマ"を意識した?

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罠の戦争
「復讐シリーズ」第3作目の『罠の戦争』、これまでとテイストが変わった?(写真:『罠の戦争』カンテレ公式サイト)

草彅剛は息の長い俳優になるだろう。そう感じたのが、放送中のドラマ『罠の戦争』(月曜よる10時〜、フジテレビ系、制作カンテレ)である。

「復讐シリーズ」と呼ばれて好評だった『銭の戦争』(2015年)、『嘘の戦争』(2017年)に続くシリーズの3作目。6年ぶりにつくられたとあって、シリーズのファンは待ってました! と喜んだ。

草彅演じる主人公が、理不尽な目に遭わされた相手に虎視眈々と準備して復讐していくこのシリーズ、韓国ノワール的なずしりと重い後味のする本格派なところが魅力であったが、6年経った第3弾は時代の変化に伴いややマイルド化して見える。

だが、どんなふうに姿が変わっても、草彅剛は作品を一定レベルに保ち、成立させている。流れに抗わず、ナチュラルに身を任せた演技体は川の流れのようで、こんなふうに生きたいと思わせる。

『罠の戦争』の内容、どう変化した?

今作『罠の戦争』の舞台は、政治の世界である。主人公・鷲津亨(草彅)は政治家秘書で、仕える内閣府特命担当大臣・犬飼孝介(本田博太郎)から厚く信頼されている。が、ある日、息子・泰生(白鳥晴都)が何者かに歩道橋から突き落とされ、状況は一変する。

犬飼が突然、この事件を事故だったことにしてくれと鷲津に頼み、もみ消そうとするのだ。大事な息子が意識不明の重傷を負っているにもかかわらず、犯人を探せない状態に承服できない鷲津は、事件と犬飼に何らかの関係があると考え、犬飼への報復と、隠された秘密を暴こうとする。

同じ秘書仲間の蛍原梨恵(小野花梨)は、政策秘書の虻川勝次(田口浩正)に以前からハラスメントを受けていたり、新人秘書・蛯沢眞人(杉野遥亮)は兄が犬飼のせいで過労死したと思って恨んでいたりと、それぞれ権力を持つ者に虐げられている人間たちが一致団結して復讐していくという痛快な展開になっている。

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