福島事故を受け、原発大国・中国はどう動くか

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一方で、にわかに高まる国民の不安払拭に、これまで以上の宣伝策を展開する必要があるだろう。福島の事故は中華圏のメディアも盛んに報道しており、香港では隣接する広東省ですでに稼働している原発の安全性を懸念する声も出ている。中国本土の反原発の世論は現状、一部のネット掲示板にとどまっているが、反原発論の拡大を阻止するべく、中国政府は「日本の事故を踏まえ安全管理策を強化している」と積極的にアピールするだろう。

4月には主要20カ国・地域(G20)の会合が開かれ、各国の経済・エネルギー担当相が「ポスト・フクシマ」のあり方を議論する見通しだ。主にはIAEAの機能強化を含む相互モニタリング制度の強化や、国際間の危機情報伝達の迅速化といった議論が予想されるが、そこで中国が目立った主張をする可能性は低いというのが関係者の見方だ。

安全保障面では先進国も新興国も区別なく、公平な立場で監視強化を受け入れざるを得ない。金融分野のように、中国が新興国の立場を代表して議論をリードすることはないだろう。
(杉本 りうこ =東洋経済オンライン)
写真は東京電力提供

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