「児童手当」「奨学金」少子化対策で考えうる手立て 賃上げ取り組む企業へ法人税控除率向上はあるか

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(画像:FNNプライムオンライン)

子どもが多いほど所得税額が軽減「N分N乗方式」

橋下徹氏(番組コメンテーター・弁護士・元大阪府知事):思想がなければ、政策は滅茶苦茶になる。こんなに低い所得制限では絶対ダメだ。何の論拠もないまま適当に今までの政策の中の数字を持ち出しているだけ。子ども1人あたりにどれだけかかるのか。それ以上の収入がある人は、申し訳ないけれども、子育て支援は勘弁してください、と。ただ、累進課税で高額所得者は多額の税を払っている。多額の税を払いながら、子育て支援策はゼロなのかと反発が出る。政府に税制でぜひやってもらいたいのは「N分N乗方式」だ。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):N分N乗方式を見ていく。世帯所得が同じ1000万円の4人家族で比較すると、(現制度で)世帯所得1000万円の場合、所得税率33%で所得税額は330万円。これに「N分N乗方式」を用いると、世帯所得1000万円をまず家族4人で割り、課税対象所得は250万円。その場合、所得税率は10%なので25万円。この25万円に改めて4人家族の4をかけた数字100万円が所得税額になる。「N分N乗方式」では子どもが多ければ多いほど所得税額が軽減される。

橋下氏:これは思想だ。いま、子ども1人あたりにかかる金がいくらなのかという議論が全然ないが、「N分N乗方式」を検討すると、子ども1人あたりにかかる金はいくらなのか、それぞれの世帯で子ども1人あたりの収入額はいくらなのかという議論になる。世帯収入で税率を決めるのではなく、子ども1人の収入額に換算して税率を決める。要は、子ども1人にいくらかかるのか、そして、それを収入でまかなえない人たちはしっかりサポートする。

高額所得者についても子どもが増えれば増えるほど税率は下がっていくようにすることでバランスを取る。子ども1人にかかる金額という視点で政策議論をやってもらいたい。

松山キャスター:「N分N乗方式」はフランスでは(少子化対策として)かなり成功しているようだが、一方で、日本では低所得者層や中所得者層にはあまり効果がないのではないかとの見方がある。

次ページ「税制と支援策のミックス型でやるべき」
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事