専門医が指南、疲れた肝臓を蘇らせる「腸活術」 乳酸菌飲料より「納豆・キムチ」が体によい訳

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それよりも、「プロバイオティクス」は、納豆やキムチなどの発酵食品からとるのが一番。推奨するプロバイオティクス食材は以下になります。

【プロバイオティクス食材】
・ナチュラルチーズ
・ヨーグルト
・漬けもの
・キムチ
・みそ
・納豆 など

また、腸内の有用菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などの成分を「プレバイオティクス」と呼び、プレバイオティクスを含む食品の摂取も大切です。

代表的なプレバイオティクス食材は以下になります。

【プレバイオティクス食材】
・玉ねぎ
・ごぼう
・豆類
・さつまいも
・キャベツ
・ブロッコリー
・りんご
・きのこ類
・海藻類
・こんにゃく

さらに、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」の両方を同時にとることで(=シンバイオティクス)、効果的な整腸作用がもたらされることも知られています。プロバイオティクスの「発酵食品」+プレバイオティクスの「食物繊維」は、最強の腸活コンビなのです。

野菜は2倍で肝臓も腸も元気になる

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便秘の主な原因は食物繊維不足です。ご飯を減らすと糖質だけでなく、食物繊維の量も減り、便のカサも減らしてしまうので、しっかりした便が出にくくなります。

さらに、スマート外来で初診時に行うBDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)のアンケート結果では、肥満・脂肪肝患者の食物繊維量の平均は1日約10gでした。日本人の推奨食物繊維摂取量は約18gなので、半分程度しかとっていないことが判明しています。野菜の摂取を普段の2倍にとお伝えしているのは、これらのデータを根拠にしています。

最後に私がおすすめしている食物繊維が豊富な食材を紹介しましょう。

【毎日食べたい食物繊維の神セブン】
1 キャベツ
2 海藻類
3 きのこ類
4 ごぼう
5 ブロッコリー
6 こんにゃく
7 やまいも

腸によいものは、肝臓にもよいと覚えて、ぜひ「腸活」に励んでください。

尾形 哲 肝臓外科医

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おがた・さとし / Satoshi Ogata

長野県佐久市立国保浅間総合病院外科部長、同院「スマート外来」担当医。医学博士。1995年神戸大学医学部医学科卒業、 2003年医学部大学院博士課程修了。パリ、ソウルの病院で多くの肝移植手術を経験したのち、2009年から日本赤十字社医療センター肝胆膵・移植外科で生体肝移植チーフを務める。さらに東京女子医科大学消化器病センター勤務を経て、2016年より長野県に移住。一般社団法人日本NASH研究所代表理事。2017年スタートの「スマート外来」は肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来。『肝臓から脂肪を落とす食事術』(KADOKAWA)は現在9刷。また、オーディブル版も発売中。

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