どうなる日本株!天井をつけてしまったのか 株価はもうこれ以上は上がらない?

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前回まで筆者は、もうはまだなり、ありそうでなさそうな金融引き締め、イエレン議長は利上げできるのかなどの表現で、利上げ時期の後ずれを言ってきた。もし、この仮説が実現したら、金融相場に戻れない、業績相場にも移れない状態が延々と続くことになる。

アメリカ株これで終わりか?の答えは、「終わってはいない!」だ。

しかも、引き締め時期が後ずれするこの状態はバブルを招く可能性もある。強気派はその辺も期待する。

その中で、いよいよ今週、この相場の一つのヤマ場を迎える。

日本の日銀短観とアメリカの雇用統計だ。日銀短観は、代表的指標大企業製造業DIは、現状、先行きとも14-16の良好な予測が出ているが、雇用統計の方は非農業部門雇用者数25万人増と、2月の29万5000人増から落ち込む予想だ。
 予想通りなら、外国人投資家の更なる日本株への資金シフトも考えられる楽天的見方もある。

日本株こそまだ終わってはいない

GPIF中心の公的ファンドの、日本株組み入れ比率25%への引き上げは、いまや外国人投資家の動向と同じくらい重要な需給要因で、その進捗度は最も重要である。

先行したGPIFの組み入れ比率は既に22%前後に高まっていると推定されるが、簡保や共済年金等他の実態はまだ不明だ。おそらく本格化するのは2015年度(2015年4月-2016年3月)だと思うが、今回の上昇相場にどれだけ実質的な影響を与えていたのか、2014年度末(この3月末)の集計が知りたいところ。

下げない相場が続いていた日本株だが、直近では3月9日の180円安が最大だったが、26日の275円安、27日の185円安と異常に下げない相場にも変化がみられる。公的ファンドの買いの影響力もひとヤマ超えた感じだ。ボラティリティは高くなると言うより、正常に戻ることになりそうだ。

しかし、相場の常だが、株価が上昇していくと、その先々で株高による新しい世界が生まれる。ベースアップを含む賃金の上昇にも、明らかにこの株高が影響している。卵が先か鶏が先かになるが、デフレ脱却にも、株高は欠かせない。

世界の投資家から見た日本株は、直近安値2014年10月17日(日経平均1万4532円、135.97ドル)から日経平均は36%上がったが、ドルベースの日経平均は22%しか上がっていない。

先物筋は6週連続(2兆8000億円)買い越しの後、3週連続(2564億円)の売り越しに転じているが、現物ベースでは買い越しが続いている。またこの相場に乗り切れなかったファンドが意外に多い。史上最高値更新続出の欧州株に比べ、来期10%増益で予想PER16倍の日経平均2万円は割高ではない。

ただし、今週の予想レンジは25日移動平均かい離率ゾーンを1ポイント下げて、マイナス1%―プラス3%とする。

25日移動平均週央推定1万9150円として、日経平均の予想レンジは下値1万8950円―上値1万9700円としたい。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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