東日本大震災を試練に日本は自信を取り戻す--英メディアが見た大震災下の日本

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 また、自民党こそが、かつては原発事故に関して隠ぺいを行ってきた歴史がある。長年、自民党の政治家と原発産業は癒着状態にあり、今回、民主党政権下で初めてこれが検証されることになった。
 
--政治の古い体制が変化しているとのことだが、メディアについてはどう見るか?メディアはよい方向に変化しているといえるか?

メディアの変化の速度は非常に遅い。大手メディアは非常に慇懃すぎる。個人に対して慇懃すぎるのではなく、政治のエスタブリッシュメントに対してそうなのだ。非常に大きな弱点だと思う。

例えば、大手メディアは政治エスタブリッシュメントがシグナルを出すのを待ってから、報道を行う。間違った形の関係だと思う。非常に不幸なことだ。

何年か前に、読売新聞の渡辺恒雄会長が、内閣の人事に介入し、07年には、小沢一郎氏を首相にして大連合の政権を作ろうとしたことがあった。渡辺氏は一連の動きの中心にいたのだ。しかし、読売は当時、この事実を掲載しなかった。
 
 これは、私にとっては道徳に反する動きだ。読者に対する義務の放棄だ。読者にまったく敬意がないのも同然だ。政治体制側の傲慢さでもある。

当時の政治体制が、国民の介在なしに政界再編を行えると考えることが傲慢であるし、メディアがそう考えたことも傲慢だ。こんなことをするようでは、メディアは自己の義務を果たしていない。主要な責任が読者や視聴者にはないメディアは仕事をしていないも同然だ。

(小林恭子 在英ジャーナリスト =東洋経済オンライン)
タイトル横写真は本文とは関係ありません 撮影:尾形文繁

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