誰もがついやりがちな「友達をなくす関わり方」 「どっと疲れる友人」になっているかもしれない

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解説は、以下です。

A「花粉症が始まる前に薬ほしいけど、病院、待つから嫌だわ」
B「(嫌だという気持ちに対しての受け止めが欲しいところなのに、その言葉がない)なに? 病院行くとき予約しないの?(今どき、ふつうするよね? してないの?という非難)」
A「え? 予約はするけど(けど、というワードは、相手の意見に賛同できないときに出てくる言葉)、大抵時間通りにいかないし」
B「私の通っているところ、わりと時間通りで、そんなに待たされないよ(私のところは違うと比較して優位性を述べている)。病院変えればいいのに(おせっかい)」
A「……」

全体的に相手の言動に批判的で、気持ちを受け止めることができていません。このようなやり取りが続くと「わかってもらえない」「話が通じない」「否定されている」というネガティブな感情がAに起こりやすくなります。

さらに、Bが自分のかかっている病院自慢や、使っている薬の解説などしようものなら、聞く気も起らないでしょう。

では、何気ないやり取りの中で敵を作らないようにするには、どうすればよいでしょうか。

コツは会話を楽しむこと

A「花粉症が始まる前に薬ほしいけど、病院、待つから嫌だわ」
B「待つの嫌だよね(同意)」
A「そうなのよ、下手すると一日がかり」
B「そんなにかかるんだ(大変さの受け止め)」
A「でしょ。だから気が進まないの」
B「ほんとね。予約はできないの?(自分のことを引き合いに出さずに確認)」
A「予約して行ってもなかなか時間通りにいかないのよ、診察は丁寧なのが救いなんだけどね」
B「そっか、でも診察はいいんだ(プラスの気持ちを受け止める)」
A「うん、いい先生なのよ。面倒だけど症状が出る前に行くことにするわ」
B「そうだね(受容)」

しっかりと相手を受け止めることで、Aが迷っていることに結論を出せるまでのサポートまでできています。

この後、自分の状況を話したり、薬のことを話す分には一向にかまいません。友人との会話は、一方通行に聞くだけで終わりではないし、自分のことも話したいと思いますので、体験談を語ることや情報共有としての会話を楽しめばよいのです。

この前段がないうちに、相手の話の内容や気持ちを否定してしまう人、アドバイスすることが相手のためになると思い込んでいる人が失敗しやすいのですが、問題解決志向が強く、なんとか相手にとってよい情報を伝えたいと一所懸命な人に多いのも事実です。

次ページアドバイスもタイミングを間違えると…
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