2040年の「脱エンジン目標」を掲げるホンダだが、次世代自動車では既成概念を越えたクルマ造りが求められる。ソニーグループとの合弁会社は、その糸口を探る場になれるのか。

世界最大のテクノロジーの展示会「CES2023」で披露されたソニー・ホンダモビリティのEV試作車とその横に立つ水野泰秀会長兼CEO(記者撮影)
「皆さんと議論すると、既存事業の枠組みの中で電動化に移行していくと考えている人たちがほとんど。既存の価値をベースにすれば積み上げた経験は生きるが、同時にそのしがらみにとらわれる。既存事業から移行しながら変わっていく猶予はもはやない」
2023年の社員向け年頭メッセージで説くようにそう訴えたのは、ホンダの三部敏宏社長だ。
世界で販売する新車を2040年にすべてEV(電気自動車)・燃料電池車(FCV)にするという「脱エンジン目標」を三部社長が掲げたのは2021年4月。それから1年半超が経ち、世界では数百社の新興EVメーカーが勃興する。三部社長の危機感は強まるばかりだ。
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