コミュニケーション能力が、社会生活を送っていく上で大切なものであることは言うまでもありません。にも関わらず、会話や言葉について迷ったり悩んだりする人は後を絶ちません。そんな問題を解決しようと、書店にはコミュニケーションの本がたくさん並んでいます。
中でも目立つのが「好感を持たれる話し方」「嫌われない言い回し」についての本です。何冊か目を通してみると、カドが立たない言い方のアイディアとして「過去形にする」というものがありました。
遊園地などの窓口で、割引券の利用があるか係員が確認するときに「割引券のご利用でしたか?」
来週予定されている会議の参加人数を確認するときに「出席予定は5名でよろしかったでしょうか」
コンビニエンスストアで惣菜を買った客に対して、店員が「お箸は一膳でよろしかったですか?」
確認のための「過去形」
これらもまだ違和感がある人もいるかもしれません。けれど
「割引券のご利用ですか?」
「出席予定は5名ですか?」
「お箸は一膳ですか?」
に比べたら、若干、やわらかい印象になるといえばそうかもしれません。もちろん、このシンプルな訊き方でもなんら失礼ではありません。
お気づきのとおり、これらの過去形はすべて「確認」の際に使われています。ニュアンスとしては「おそらくそうだとわかってはるのだけれど、失礼があってはいけないから念のため確認しますね」というニュアンスを表現するときに過去形にするのだとか。受け入れる人が多くなっていけば自然に、これらは間違いではない表現と認められるようになっていくでしょう。
ちなみに、英語では丁寧な表現として過去形を使います。たとえば「その本取ってくれる?」というとき、カジュアルな表現では「Can you get me the book? 」となりますが、助動詞のcanを過去形にして 「Could you get me the book?」とすると、「その本を取っていただけますか?」というニュアンスの丁寧な表現となります。
日本語の「よろしかったでしょうか」が、英語の丁寧な表現に影響されているとは思えませんが、意外なところに共通点があるものです。
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