NHK「過去最大の改定率」に見る若者離れの危機感 若者向けゾーン設置や夜ドラ等さまざまな施策

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同時に、若い世代へのアプローチで欠かせないのはデジタル施策だ。受信契約者が無料で利用できるNHKプラスは、リアルタイムあるいはタイムシフトのテレビ放送とは異なる方法でも、若年層の視聴増加へとつなげる。

その特徴はプレイリスト。たとえば、若年層にも人気の『鎌倉殿の13人』プレイリストでは、本編はもちろん『100カメ』や『新・にっぽんの芸能』などの関連番組からNHK地方局制作番組まで、ドラマ内容に関係する内容の放送回をならべる。それにより、普段はなかなか若い世代が触れる機会のない番組でも、ドラマ内容との関連から興味を向かせることができる。

NHKメディア総局メディア編成センター・NHKプラス編集長の松井奈保子氏は「実際に『鎌倉殿の13人』プレイリストの回遊視聴は、数字に成果が表れています。NHKの多様なコンテンツを視聴者の関心軸で提供し、こんな番組があるんだという気づきを持っていただくことができています」と配信ならではの取り組みと成果を語る。

高齢層を切り捨てるわけではない

番組内容から編成、配信での届け方まで、今年のNHKはゾーン編成で明確に打ち出しながら、若い世代向けのアプローチに注力してきた。まだその過程ではあるが一定の成果や手応えを得られているようだ。

その一方で、NHKの従来からのメイン視聴者は高年齢層だ。今年は若年層シフトに見える施策が目立っているが、そのバランスはどう考えるのか。

「若年層に舵を切ったとか高年齢層を切り捨てるということではなく、これまで弱かった部分をいまより強化しているだけ。今年度、若年層向けゾーンを打ち出しましたが、もちろんこれまでどおりのコンテンツもきちんとお届けしています。ただ、いろいろな年代の人に見てもらってNHKの価値を感じていただくことが重要。そういう意味で若年層には力を入れていかないといけない。その考え方は来年も続いていくでしょう」(篠田氏)

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