NHK「過去最大の改定率」に見る若者離れの危機感 若者向けゾーン設置や夜ドラ等さまざまな施策

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実際にそこから生まれた個性的な番組のいくつかは、SNSなどで若い世代の反響を得ているようだ。

100台の固定カメラで1つの場所を撮影するドキュメンタリー『100カメ』は、30〜40代女性の視聴者が多く、1クール目の放送を終えてから3クール目で再び新シーズンとして放送開始された。

また、ゲームを文化として捉え、古今東西のゲーム独自の魅力と奥深さを味わう教養番組『ゲームゲノム』は、まさにこれまでのNHKになかった若年層を狙う番組であり、SNSでのリアクションなどによればゲームファンの男性層から支持されているようだ。

「阿佐ヶ谷アパートメント」など好評

男女ともに若者の視聴者が多い番組もある。パンサーの尾形貴弘が難解な数学の世界を真面目に解説する知的エンターテインメント番組『笑わない数学』は、男女13~19歳、女性20代、男性20~30代の視聴者が多かったという。

漫画やCGを駆使した映像演出のドラマ風教養番組『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』は、NHKの午後11時台の番組のなかで、最も多くの男女13~19歳に見られる番組になった。

さらに『阿佐ヶ谷アパートメント』のように、配信プラットフォームのNHKプラスでの配信も含めたタイムシフト視聴で多く見られている傾向もあるという。

篠田氏は「ゾーン全体として個性的なコンテンツが出ています。『阿佐ヶ谷アパートメント』や『笑わない数学』などはこれまでのNHKが弱かった視聴者層に届いているというデータがあります。一方、想定していなかった反響もあり、挑戦の価値があったと受け止めています」と語る。

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