小型犬に多い「犬の歯周病」飼い主に伝えたい基本 年々増える手術件数、皮膚や骨に穴が開くことも
国内では18の大学が獣医学部を持つが、口腔歯科疾患に関する授業や実習はなく、獣医師の多くは動物病院に勤めて初めてペットの歯周病と直面することになるという。また全国には約1万2000軒の動物病院があるが、口腔内疾患の治療に強みを持つ病院は少なく、実績のある病院を調べるのが安心かもしれない。
しかし、一番の理想は「愛犬を歯周病にしない」ことだろう。藤田獣医師は予防に最も有効といえるのは「歯磨き」だと話す。歯周病の疑いで来院した犬が何歳であろうと、歯肉が正常な状態に戻ったタイミングで歯磨きを始めてもらうよう指導するという。
予防に有効なのは歯磨き
とはいえ愛犬の歯磨きをしようにも、「もし噛まれてしまったら」と怖くなったりすることもあるだろう。
それを避けるためにも、できれば歯磨きは愛犬が物事を抵抗なく吸収しやすい生後1〜4カ月から行うのがよいという。乳歯の頃から歯磨きに慣れさせておくと、永久歯になってからは歯磨きを無理なく毎日のルーティンにもできるという。
「歯磨きに慣れていない犬の場合、いきなり歯ブラシを口に持っていくのはNGで、段階を経ていくことが大事です。
3つのステップで説明しますと、ステップ1では頬・口元を優しく触れてみて、ステップ2では口の中に指を入れて犬が好む味の歯磨きペースト(歯磨き粉)を口に入れるなどして、口の中に異物を入れる練習をします。ステップ3ではデンタルシートやガーゼを指に巻いて歯の表面を撫でてみてください」(藤田獣医師)
うまくできたらおやつなどご褒美を与え、少しずつ慣らしていくことで、97〜98%の犬は歯磨きを受け入れるという(2〜3%の犬は反抗して危険なため、無理せず動物病院に連れていくのがいい)。そして最終的には歯ブラシを用いたデンタルケアを都合のいいタイミングで1日1回行う。食べ物を捉える犬歯、噛み切る上顎の大きな前臼歯と下顎の大きな後臼歯に歯石が付きやすいため、これらを重点的に磨き、奥歯や歯の裏側を磨くのを最終目標にするといいという。
なお、唇の端を後ろ側に引っ張ると大部分の歯が露出し、きれいに磨けるという。
愛犬が重篤な症状に陥る前に、一度検討してみて損はないはずだ。
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