カルトの標的にされやすい人の「典型的な特徴」 ダブルバインドで心をがんじがらめに縛られる
教育熱心な親から「あなたには勉強しかない」と言われ続けて育てられ、その気になって猛勉強をして東大合格を目指す子ども。心酔しているコーチになにからなにまで指示を仰ぎ、トレーニングだけでなく日常生活においても言われた通りに行動するスポーツ選手。彼らもまた、広義でマインド・コントロールされた状態にあると、いえなくもありません。
カルト宗教問題における「マインド・コントロール」は、いま挙げたような文脈で使われる場合とでは性格が大きく異なります。対象となるのは、人権が踏みにじられたり、違法性のある行動に導いたりする、問題を多くはらんだマインド・コントロールです。
定義するならば、「自分以外の人や組織が常識から逸脱した影響力を行使することで、意識しないままに自分の態度や思想や信念などが強く形成・支配され、結果として物理的・精神的・金銭的などの深刻な被害を受ける状態」になるでしょうか。
いわずもがな、カルトのマインド・コントロールはこれに当てはまります。安倍元首相暗殺事件における容疑者の母親をはじめとする統一教会の被害者や、霊能者や占い師に心を支配された著名人など、例を挙げ出していったらきりがありません。
人格が一変し、支配され、簡単に解けることはない
マインド・コントロールにかかると、人格が一変します。こちらの意見を聞いてくれなくなります。考え方が凝り固まり、取りつく島がなくなります。こちらのことを悪魔のように思い込んでしまう場合もあります。一度ハマると簡単には抜け出せない、本当にやっかいな状態なのです。
マインド・コントロールをかけた側とかけられた側の関係が、同等ではない点も重要です。カルト的宗教団体には、教祖から末端の信者に至るまで、明確な上下関係が存在します。かけられた側は、原則的に下の立場。これは、霊能者や占い師などのケースでも同じです。かけられた側がかけた側に強い「依存心」を抱いている点も見逃せません。
完全に依存している上の立場の人からの指示には従うしかない。言われたことは信じるしかない。いつの間にか、そのような状態にさせられてしまうのです。
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