なぜ日本のイスラム教徒が辛い目にあうのか 日本国内のイスラム教徒から深刻な訴え

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それぞれに礼拝が行われた後で、イスラム教についての勉強会が行なわれ、さらにそのあとで食事会が開かれる。そこに集まった男性たちと語り合っていると、「あの事件の後、すごく気持ち悪いことが起きている」と口をそろえる。

イスラム教徒とイスラム国の混同から起こる差別

土曜日の礼拝に集まったイスラム教徒たち。行徳ヒラー・モスクにて

もう20年以上も日本で仕事しているという出稼ぎ外国人の男性は、「職場でも日本人の同僚が、私たちイスラム教徒だけのけ者にするようなことが始まった。私たちと話をしないとか、遠ざけるようになりました。後藤さんたちの殺害事件の前にはなかったことです」という。

話しかけてくる人たちも「あなたも『イスラム国』と同じ考えなのか?」などと聞いてくるという。

そのほかに、電車に乗っている時も、隣に座った人が怖がって席を立つとか、子ども連れの母親が自分たちを避けて違う車両に移動する、など、後藤さんたちの人質殺害事件の前にはなかったという体験談が続いた。道を歩いていても、露骨に顔をしかめられる。つばを吐きかけられるなど、嫌がらせの実態は数多い。

「そのたびにすごーく嫌な気持ちになる」

職場でも差別を経験する、東南アジアから来ている中年男性は悲しそうな表情でそう語った。

なぜ、そんなことになってしまうのか。それは、日本人の多くが「イスラム教徒」と「イスラム国」を混同しているからだという。

「テレビの伝え方がひどい。『イスラム国』という名前を出すと、彼らがイスラム教徒の代表のように思われてしまう。本来、イスラム教徒はああやって野蛮に人を殺したりしない。『イスラム国』という名前で報道することが誤解を生み、差別につながっている」という声が数多く聞かれた。礼拝にはイスラム教徒の子どもたちもやってくる。

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