すごい向上心!タイの若者たちの日常と本音 盛り上がるアジアの若者消費(タイ編その3)

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●アイス(女・22歳・ホテルシェフ)

「北海道に行っておいしいものを食べたい」

4つ星ホテルで働くアイスさん

アイスさんもジョエル君と同じくホテルシェフですが、モス君よりグレードの高い4つ星ホテルなので高級取りです。月給は2万5000バーツ(約9万円)。彼女の友人の月給は1万~1万2000バーツくらいだそうなので、自分がいちばんもらっていると自慢げ。

写真を見るとわかるとおり彼女は美人です。今までの若者の意見からしても、「顔が整っているからいいところに就職ができた」のは、あながち間違っていないのかもしれません。

アイスさんと年上の彼氏

アイスさんの彼はだいぶ歳上の36歳です。彼もホテル勤務で、デートはシーコンスクエア、メガバンナー、パラダイスパークといったショッピングモールが中心。可処分所得が高いので、彼とよく旅行に行くそうです。国内旅行ではパタヤビーチやタイ中部ホアヒンにある「ヴァナ・ナヴァ・ホアヒン」という大型ウォーターパークが楽しい!と言っていました。

行ったことのある海外はシンガポール、オーストラリア、香港など。次に行きたいのは日本で、その理由は遊び場所がたくさんあって、それぞれの県に観光地があるから。「北海道でカニや貝を食べてスキーがしたい。寒いのが好き」とのこと。タイは雪が降らないので、雪景色が珍しいのです。

●ゲム(男・21歳・スターバックスのアルバイト)

「小さくてもいいからお店を開きたいんだ」

6人の中ではいちばん苦労人のゲム君

6人の中でゲム君がいちばんの苦労人です。スターバックスでアルバイト(本人は「バリスタ」と説明しています……)をしながら通信制の大学に通い、寝たきりの叔父さんとふたり暮らし。バイト代は時給55バーツ(約198円)、1日8時間、週に6日間働いているので月収は1万バーツちょっと(4万円行かないくらい)です。将来は自分でビジネスをしたいので貯金中。「コーヒーやジュースを売るようなお店を小さくてもいいから開きたい。セブン-イレブンにも自分の店の飲み物を卸したい」と夢を語っていました。目標月収は10万バーツ(約36万円)だそうです。

男性がおごるのがタイでは一般的

ゲム君の彼女は歳上の26歳。興味深いのが、ゲム君は決して金銭的な余裕がないのに、デート代はほぼすべて彼が支払うということです。いい感じのレストランを探しては積極的に彼女を連れて行きますし、彼女が働いている高級ホテルのバーで、日本円で1杯1000円(タイの物価からすると3000~4000円のイメージ)もするカクテルをおごるというから、驚きです。

歳下にもかかわらず、かなり無理をしてでも彼女におごっているのは、男性優位社会ゆえの譲れないプライドなのかもしれません。

ゲム君の起床は朝4時半。バイトのシフトは朝6時から午後3時まで。彼女の仕事が夕方6時に終わるので、それまで時間を潰し、9時頃まで彼女と会って帰宅という毎日です。「彼女が30歳になるまでに結婚してあげたい。クラシックな雰囲気の一軒家が欲しい」と日々奮闘するゲム君ですが、その苦労が報われる日は来るのでしょうか?

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