

難しいのが、改革に興味があっても、校長になりたがる教員はほとんどいないことです。大変なだけなので。それに、改革に積極的な教員ほど、上から見れば厄介者ですから、評価されにくいという事情もあります。

同意です。私は、何より教室で授業をしたくて先生になったので、校長という仕事には魅力を感じないですね。卓也さん、民間校長をやってみたらどうですか?
卓也:いやいや(笑)これは根深いぞ……。実は、娘が来年から小学校に入るのですが、先生の負担には保護者関係のものも多いですよね? 僕は、学校でのことはなるべく先生に任せようと思っていますが、保護者のスタンスが変われば先生も楽になるんじゃないでしょうか。


僕、かつて保護者から「生徒は24時間生徒なんだから、先生も24時間先生でいてください」と言われたことがあって(笑)。遅い時間に連絡してくる保護者もいますし、生徒も連絡ツールのClassi(クラッシー)などで勉強や進路の真剣な悩みをメッセージで送ってくるので、なかなか無下(むげ)にはできません。とくに受験の出願期限が迫っている場合などは、真夜中でも対応しないわけにはいきませんよね。僕を含めてですが、教員は相手に尽くすのが好きな人が多いので、どうしてもボランティア精神で対応してしまうんですよね。
卓也:いや~、それは頭が下がりますね。

今の保護者のボリュームゾーンは昭和の教育を受けてきた人たちなので、若い先生たちの感覚とはギャップがあるかもしれませんね。最近よく思うのが、「保護者の方々はもっと教員のことを信じてほしい」ということです。高学歴の親御さんに多いのですが、正直「下に見られているな」と感じることもあります。それが子どもにも伝播してやがてクラス全体が教員をバカにし始めると、収拾がつかなくなってしまいます。

多様な保護者がいる中で、国からのトップダウンで対応方法が定められているのは難しい部分ですが、教員はプロとして定められた時間内・期間内で必要な教育を行っているので、信じて委ねてほしいです。