「アマゾン年会費」は米国の1/4、日本だけ安い真因 50年来の円安水準とはどういうことなのか

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円の実質実効為替レートが51年ぶりの低さに落ち込んだということは、為替が固定相場で1ドル=300円台だった当時と同水準まで円の実力が低下したということです。円安と物価低迷が相まって、円の対外的な購買力が下がっているのです。

アメリカのビックマックは日本より8割高い

日本円の価値が、51年前とほぼ同価値にまで落ち込んでいる――そう言われても、なかなかピンと来ないかもしれません。そこで、具体的なモノで考えてみましょう。

日本と海外の物価を比較する際によく用いられるのが、各国のマクドナルド店舗で販売されている「ビッグマック」の価格です。ビッグマックによって各国の購買力を比較するというのは、イギリスの経済専門誌「エコノミスト」が1986年に考案したもので、年2回データが発表されます。

上の表は2022年7月版(『51のデータが明かす日本経済の構造』執筆時点での最新版)の世界のビッグマックの価格ランキングを示したものです。日本でのビッグマック価格は390円で54か国中41位となっています。アメリカでのビッグマックの現地価格は5.15ドルで、1ドル=137.9円で計算すると(「エコノミスト」誌が用いている基準)、日本円では710円となり、日本で買うよりも8割ほど割高です。

もっとも値段が高いのはスイスで925円、次いでノルウェーの864円、ウルグアイの839円の順になっています。これら上位の国のビッグマックの価格は日本の倍以上です。アジアに目を向けると、シンガポールが585円で一番高く、54か国中17位となっています。中国は490円、韓国も483円と日本よりも高くなっています。

国によって多少大きさなどの違いはありますが、同じ商品を買うのに、多くのよりもお金がかかります。これは円の購買力が低いことを表しています。

ちなみに、2000年4月のビッグマックの価格は、日本で294円、アメリカでは2.24ドルでした。当時の為替レートは1ドル=106円だったので、アメリカでのビッグマック価格は日本円で237円と、日本で買うよりも安かったことになります。実際、当時のビッグマック価格のランキングをみると、日本の順位は28か国中5位で、アメリカの順位は12位と、約20年前には日本のほうがアメリカよりもビッグマックが高かったことがわかります。

最新の2022年7月のビッグマックの価格は日本で390円、アメリカで5.15ドルなので、2000年4月と比べて、アメリカでは価格が約2.3倍になったのに対して、日本ではわずか3割程度しか価格が上昇していないこともわかります。

先ほど、2022年7月の数字で、アメリカでのビッグマックの価格は日本の1.8倍になっているという話をしましたが、これは為替レートが円安に進んだだけでなく、アメリカでは日本よりも物価が上昇したことも反映しています。

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