「二子玉川マダム」が朝7時にスタバに行く理由 東急沿線に40年住んでわかった「街の魅力」の鍵

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二子玉川を「にこたま」と呼ぶか「ふたこ」と呼ぶか。バブルのころは自由が丘を「がおか」とか「おかじゅう」と呼ぶ人がいたけれど、最近は聞かない。

でも「ふたこたまがわ」は長いので「にこたま」「ふたこ」と略したくなる。ただ、二子新地という駅もあるから、略すのなら「にこたま」のほうがいいと思う。というわけでぼくは「にこたま」を使っています。

ついでにいうと東急沿線には「むさこ」問題がありますね。武蔵小山の略なのか武蔵小杉の略なのか。どちらも目黒線の駅なのでまぎらわしい。武蔵小山は「むさこ」で武蔵小杉は「こすぎ」というべきだという人もいる。これについては、だったら略さずに武蔵小山・武蔵小杉といえばいいではないか、というのがぼくの意見だ。

二子玉川についても「にこたま」はバブル臭がするから略さないほうがいいという意見も目にしたことがある。バブル臭かどうかはともかく、略称は仲間内の符丁みたいであまりいい感じはしない。西荻窪に住んでいたころ、吉祥寺のことを「じょーじ」と呼ぶ人がいてなんだかなと思った。もっとも、西荻窪は「にしおぎ」というけど。

二子玉川の東側が変貌

等々力に住んでいた5年間は二子玉川によく行った。徒歩で行くことも自転車で行くこともあった。等々力通りを進むと上野毛駅前。そのまま環八を渡って坂を下る。坂の途中に宮城まりこさんのお屋敷。門扉に♪がついている。坂の左側は上野毛自然公園。以前は坂を下りきったところに都立高校や自動車教習所があった。右折すると二子玉川。

二子玉川に行くということは髙島屋に行くということと同義語だった。それも本館ではなく南館・SC館に入っているショップを覗いて回るのだった。

ひところはほとんどの洋服を南館のビームスやシップスで買っていた。文具の伊東屋、紀伊國屋書店、眼鏡のフォーナインズでもよく買い物をした。南館が拡張されてからは、レストランにもときどき行った。本館地下の和菓子店もよく行った。

駅の南側(というか、正確には東側)には東急ストアと東急ハンズがあった。ハンズは渋谷に比べると小さな規模の店だったが、それでもちょっとした金物や工具を買うのに便利だった。

この40年で二子玉川の東側が大きく変わった。ぼくが大岡山に引っ越したときは、まだ遊園地「二子玉川園」があった。それが1985年に閉園して、跡地は二子玉川タイムスパークと名づけられ、ナムコワンダーエッグやいぬたま・ねこたま、テニスコート、レストランなどができた。等々力に引っ越した98年ごろもワンダーエッグやいぬたま・ねこたまはあった。

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