破綻したFTX「前代未聞」イカサマ経営驚愕の実態 中身はあのエンロンよりずっとひどかった

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バンクマンフリード
FTXの元CEOバンクマンフリード氏。破綻前は現大統領ジョー・バイデンが勝利した2020年の選挙対策に500万ドル以上を寄付するなど仮想通貨業界を代表する存在だった(写真:Erika P. Rodriguez/The New York Times)

2001年の不正会計スキャンダルで自壊したエネルギー取引会社エンロンなど、歴史に残る企業破綻の後処理に貢献してきたのがジョン・レイだ。同氏は先日、破産した暗号資産(仮想通貨)取引大手FTXの経営を引き継いだが、その機能不全ぶりはレイがこれまで目にしたものの中でも最悪だった。

レイは11月17日、裁判所に提出した資料でFTXの驚くべき無秩序状態を痛烈に批判。「ここまで完璧な企業統治の失敗例」は見たことがないと述べた。レイは、安全でないグループ電子メールを使った機密データへのアクセスなど「容認できない経営慣行」の数々を列挙。FTXが管理していた財務情報は、まったく信用できないとした。

「安全性の低いシステム、国外での監督の不備、未熟でお粗末かつ問題を起こしかねない個人からなる、極めて小さな集団への支配権の集中。前代未聞の状況だ」。レイはデラウェア州の連邦破産裁判所に提出した資料にそう記した。

顧客の資金回収も危うい状態

FTXは11月上旬の取り付け騒ぎにより財務の深刻な脆弱性が露見し、破綻した。同社は11日、連邦破産法11条の適用を申請し、最高経営責任者(CEO)のサム・バンクマンフリードは辞任。司法省と証券取引委員会(SEC)は、FTXが顧客の資金を不正流用し、バンクマンフリードが設立したグループ内のトレーディング会社アラメダ・リサーチの資金繰りを支えていた可能性について調査を始めている。

今回の破綻により、FTXに暗号資産を預けていた数十万人の顧客は資金回収が危うくなっている。FTXの影響は暗号資産市場全体に及んでいたため、業界には衝撃が走った。

バンクマンフリードの暗号資産帝国と密接な関係にあった暗号資産貸付業者ブロックファイは、FTXの破綻を受けて事業の停止を発表。16日には、暗号資産取引を手掛けるジェネシスがレンディング(貸出)部門で顧客の出金を停止している。

バンクマンフリードは、コメントの求めに応じなかった。

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