破綻したFTX「前代未聞」イカサマ経営驚愕の実態 中身はあのエンロンよりずっとひどかった

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11月11日にFTXの新たなCEOとなった63歳のレイは、有名企業の破綻処理で活躍してきたベテランで、「企業再生の職人」との呼び名が高い。エンロンの破産処理を指揮したことで有名だが、そのほかの有名企業の再建にも多数関わり、債権者のために執念の努力で資金回収する姿が称賛されてきた。

FTXの破綻は、野放図で規制の緩い暗号資産業界の中で最も信頼できる人物の1人と広く考えられていたバンクマンフリードにとって衝撃の転落劇となった。

一時は240億ドルもの資産を手にしたバンクマンフリードは、議会に頻繁に登場。暗号資産業界の未来について証言を行い、業界を管理する法律の行方に影響を与えようとした。

有名な俳優やスポーツ選手と肩を並べ、バハマで開かれた会議では元大統領ビル・クリントンやイギリスの元首相トニー・ブレアと壇上に立ったこともある。政治献金活動も盛んで、現大統領ジョー・バイデンが勝利した2020年の選挙対策に500万ドル以上を寄付するなど、まさに引く手あまたの存在だった。

危機のさなかにゲームで遊んでいた

ところがFTXの破綻後は、その経営不祥事が次々と明らかになっている。彼はお仲間経営陣の小さな輪に閉じこもり、社内の肝心な人物と情報を共有しないことも少なくなかった。

アラメダ・リサーチのCEOキャロライン・エリソンとは恋愛関係にあったこともある。そして今、バンクマンフリードは法執行機関や政府規制当局の標的となり、刑事告発や服役の可能性が高まっている。

バンクマンフリードはCEOを辞任して以降、自身の会社の崩壊について公に語る場面が増えてきた。13日に行われたニューヨーク・タイムズとのインタビューでは、アラメダ・リサーチがFTXからどれほどの資金を借りていたのか知らなかったと主張し、自身の経営に対する深い後悔の念を口にした。

もっとも、経営危機のさなかにプレイしていたビデオゲームについて語ったり、謎めいたツイートを連続投稿する奇妙な計画を口にしたりと、かなり不真面目な印象を与える場面もあった。

その後、Voxメディアの記者に対しツイッターで送った一連のメッセージでバンクマンフリードは、会社の破産申請を行ったことを後悔していると述べ、規制当局が「すべてを悪くしている」と付け加えた。

(執筆:David Yaffe-Bellany記者)
(C)2022 The New York Times

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