電車内で「理不尽な暴言」遭遇したらどうすれば? 謝っても怒鳴り続ける男、基本はSOSボタン

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顔はノーマスクだったためしっかりと目に焼き付いていたが、その後、9月15日深夜に起きたという北区老人ホーム殺害事件のニュースが流れた際、公開された容疑者の顔がどう見ても筆者に喧嘩を吹っかけてきたその人物にしか見えないのだ。もし本当に同一人物ならかなり危なかったということになる。

ただ、筆者としてはマシンガントークで文句を言われ続けたことにもそこそこ腹が立ったものの、それよりもこういった場合にどう対応するのがいいのかなどが気になったので、警察やJRに聞いてみた。

筆者はこのトラブルの際、車内から110番通報をしている。その際、相手の特徴、乗車中の区間、相手の目は血走っていないかの3点を尋ねられた。トラブルの翌日、その後について警察に尋ねてみると、「その後どうなったかは個人情報もあるのでお答え致しかねるが、通常このような通報を受ければ、これからの各停車駅に警官が向かい、聴取した特徴をもとにターゲットを探し、声かけをする」とのことであった。ただ、被害者が駅員などと協力して相手を現行犯として引き渡すなどでないと身柄を押さえるのは厳しいという。車内防犯カメラ映像はよほどの事件にならないと共有されることはないという。

このような人物にからまれた場合の対処法としては、「(相手が)何を言っても聞かない。話にならず怒鳴り続けるようならそれ以上何も言わずにとにかく距離を置く」とのことであった。

SOSボタンは押しにくかった

JR東日本にも車内トラブル発生時の対処法について聞いた。同社は「車内でトラブルが発生した場合にはお近くの乗務員にお伝えいただくか、SOSボタンを扱っていただき乗務員に状況をお伝えください」という。そのうえで、「トラブルが発生した際は、それぞれのお客さまからご事情等を伺い対応いたします。必要により警察にご協力をいただくこともございます」と説明する。

山手線E235のSOSボタン
山手線E235系の車内にあるSOSボタン(左下)。周囲の壁面にも「SOS」のマークがある(撮影:風間仁一郎)

しかしながら、筆者は実際にトラブルに遭遇して、非常ボタンが少なすぎてわかりづらく、特に混んだ車内ではパッと押すのが困難とわかった。筆者の乗っていた中央線のE233系電車の場合、車端部片方の壁、荷棚に近い高さのところに1カ所あるだけであった。JRによると、E233系を含む首都圏の多くの車両は1両に1カ所の設置だという。

E235系非常通報装置
山手線E235系の非常通報装置。非常時に乗務員と通話できる(撮影:風間仁一郎)
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