イケアで働く人は「加点主義」で伸びていく! 「ダメ出し」からは才能は生まれない

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一見、突拍子もない話に思われそうなところ、そこで、CEOがさくっと「そう、じゃあやってみるか?」と言ってしまうのが、またイケアの面白いところ。CEOから「ここはこういうふうにしたらどうかな?」と相談されたときも、「ここは賛成だけどここは違う。だからやらない!」とか、上下関係があるから遠慮することはなく、はっきり意見を言います。

「お客様」が基準だからブレない

私も同僚からよく「それ違うと思います!」とか、「それは絶対無理です!」って言われます。すごくオープンですよ。このインタビューも、休憩中に広報担当の女性に「どうだった?」って聞いたら、「カタカナが多すぎです!」って言われたりね。たいへん失礼しました、気をつけます、って(笑)。

なぜ、上司に対しても自分の意見を言えるか。それは、判断基準が「お客様にとってどうか」ということで、はっきりしているからです。

私も、私を採用してくれた最初の上司から「お客様にとってプラスかマイナスかを考えろ」と、口を酸っぱくして言われました。判断に迷ったら、お客様にとってプラスかマイナスか、それを何よりも考えよと。

だからほとんどのミーティングも、情報を流す、共有するという内容ではなくて、ワークショップみたいなものなのです。何かひとつの疑問をぽーんと投げて、どう思う?みたいな。

最近あったミーティングだと、イケアの理念のひとつである「Everyone is seen as a talent(全員に才能がある)」の「talent」って何ぞや?を考える会もありましたね。ミーティングの最初の10分間で、「イケアの中で生きてきて、自分がどの瞬間にtalentとして認められ、認めてくれたのは誰だったか」というストーリーをみんなでシェアするのです。はたから見たら、会議というより怪奇でしょ(笑)。

たとえば私がその会で話したのは、HRマネジャーからストアマネジャーになったときの話。

あるとき上司に「新しい店舗のストアマネジャーをできる人いない?」と相談されて「この人は?」「この人は?」と人事として候補を出していたのです。そうするうち、「僕にはひとつ、アイデアがあるんだけど」「You can do that!(レイカにやってほしい!)」って言われたのです。「なぜ人事の私に?」って聞いたら、「あなたを信じられるから」って言うんですよ。

でも私は人事の担当。ソファの名前とよく売れるテーブルの名前ぐらいしか知らない私に、ストアマネジャーなんてできるわけがないと思いました。でも、「トレーニングの機会も作るし、君が人事だけじゃなくて、経営的なバックグラウンドを持っていることもわかっている。特に経営は人が大事だから、技術的なセールスといった部分は自分のチームにその分野に強い人を入れてくれればいいし。僕らが君をちゃんとサポートするから、考えてみて。いつでもいいから返事してね」って。で、翌朝、もう「考えた?」って聞かれるんですけどね(笑)。

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