共和党の下院奪回が招く米議会の「機能不全」 バイデン大統領「弾劾」の可能性が高まる

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マッカーシー院内総務が同公約を発表したわずか3日後、ゲイツ下院議員は共和党が多数派を奪還した後、「まずは(バイデン大統領・閣僚の)調査が最優先」とし、本来、議会の役目である政策立案については「優先事項としては相当低いところにある」と語った。

ある元連邦議会議員は、今日の議会は政策議論の場ではなく、ソーシャルメディアを通じ自らの支持基盤にアピールする場となっていると筆者に語った。次期議会ではますますその様相を強め、議会は劇場と化すであろう。

そもそも、共和党単独で提出する法案は上院で阻止されるか、大統領の拒否権が発動されるため、法制化することはほとんどない。あくまでも2024年大統領選に向け、共和党はメッセージを発信することを目的とした廃案の運命にある法案を提出することになる。

トランプ弾劾に対する報復が始まる

次期議会で、まず共和党指導部はバイデン大統領の各種問題を洗い出し、調査委員会を設置するであろう。バイデン政権閣僚そしてバイデン大統領の弾劾を望むMAGA共和党員を抑えるためにも、共和党指導部は同委員会設置が不可欠だ。

開会当初、マッカーシー次期下院議長をはじめ指導部は、MAGA共和党員が求める弾劾手続きの審議に反発する可能性が高い。マッカーシー氏は10月、バイデン大統領の弾劾の可能性について、「国民は政治目的で弾劾が利用されることを望んでいないと思う」とメディアに語った。現状、下院共和党議員の大半は弾劾手続きを望んでいないのは確かであろう。

だが、いずれ支持基盤からの圧力により、フリーダムコーカスを中心とするMAGA共和党員は弾劾手続き開始を指導部に押し迫り、指導部はその圧力に屈することになるであろう。

アメリカ合衆国憲法上、「反逆罪、収賄罪、その他重大な罪や軽罪」を理由に大統領などを弾劾そして罷免できることが定められている。弾劾は共和党と民主党の双方の政治的ツールとなっており、日本のように議院内閣制をとる国の内閣不信任決議のような意図で乱発されつつある。弾劾理由の詳細は規定されていないため、多数党である共和党が政治的判断で弾劾することが可能だ。

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