日本ピストンリングは栃木工場で操業再開も岩手、福島工場は復旧メド立たず【震災関連速報】
エンジンの重要部品であるピストンリングを製造する日本ピストンリングは、東日本大震災直後から操業を停止していた栃木工場(栃木県野木町)で一部操業を再開した。一方、岩手の2工場(いずれも岩手県一関市)と福島工場(福島県川俣町)は操業停止が続いている。
栃木工場は計画停電に対応するため、変則的ではあるものの15日に操業を再開。ただ停電が続く福島や岩手工場は状況確認もままならず、復旧のメドが立っていない。
日ピスが生産するのはエンジンのピストンを潤滑に動かすための鉄製リングだ。僅か数グラムの鉄輪だが、同業のリケンが2007年に新潟県中越沖地震で被災した際には、トヨタ自動車の生産ラインが3日程度の操業停止に追いこまれた。当時はトヨタなど取引先の技術者が駆けつけ、1週間程度で操業再開させた経緯がある。
リケンが国内シェアの半分を握るのに対し、日ピスは2~3割程度。物流倉庫は栃木にあり被災は免れたものの、在庫は1~2週間程度。自動車メーカーの生産に影響が及ぶ懸念もある。
(松浦 大 =東洋経済オンライン)
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