1回500円「ブランコ」が瀕死の観光地を救った奇跡 異例の有料化でも「5時間待ち」の大ヒット!
複数の遊具メーカーさんに相談したところ、最終的に福井県敦賀市に本拠を構える遊具メーカーの「ジャクエツ」さんが柔軟に相談に乗ってくれました。
高さは通常の約2倍。迫力を出す工夫として、目の前に柵をつくらないかわりにプラットフォームの先に安全ネットを取りつけ、さらにお客さんにはハーネスをつけてもらうことにしました。これで「北アルプスの山々に向かって飛び出すような爽快感」というわかりやすさが生まれます。
ここに、当社の副総支配人が「もう少しわかりやすさを加えたい」と、ブランコを漕ぐ2分弱の間にアニメ「アルプスの少女ハイジ」の主題歌をかけることを提案してきました。
「北アルプス白馬で、『アルプスの少女ハイジ』の音楽」という非常に「ベタ」なアイデアではありましたが、こんな「お馬鹿」なノリもレジャー施設にはあっていいかもと思ってその提案を採用。JASRACに使用料もお支払いし、2分弱に編曲して、ブランコの開始とともにアルプホルンの音が流れるようになっています。
シンプルなブランコですので投資金額はさほど大きくはないのですが、それでもコロナ禍の中で、どうしても自社だけでは資金が捻出できません。
そうした中、携帯ゲームの「にゃんこ大戦争」を展開されるポノス株式会社さんが「苦しい中でも面白いことをやりたい」という私たち趣旨にご賛同くださり、協賛していただけることが決まります。こうして初期投資もかなり抑えられることがわかり、事業化の目途も立ちます。
今までにない「有料のブランコ」とした深い理由
こうして今の「ヤッホー!スウィング presented by にゃんこ大戦争」の構想の大枠は固まりましたが、料金設定については社内でひと揉めありました。
私が「スタッフがついてサービスを提供し、きちんとお金をいただく形でやりたい。1回1000円くらいでどうか」と提案したのですが、社内からは「公園でブランコやるのにお金を払う人なんていない」と猛反対を食らいます。
最終的には、じゃあ半分で、と500円の料金を頂戴することになりました。「しっかりしたコンテンツを整備し、その対価をきちんといただく。そのお金をもとに次の仕掛けを展開できるようにしていかないと、スキー場の未来はない」という私の信念に基づき、少しだけ強引に通させてもらった形です。
多くの地方の観光施設で、魅力的なコンテンツを無料開放しているところを見かけます。お客さまに少しでも楽しんでもらおうというサービス精神なのでしょうが、これは長続きしません。
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