インフレ調整後の米実質金利であるインフレ連動債(TIPS)利回りが上昇しており、世界経済に引き続き影を落としている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が2日に4会合連続の0.75ポイント利上げを決めたことを受け、実質金利は上昇。5年物TIPS利回りは3日に一時1.84%と、前日の日中最低水準の1.42%から上げた。10年物と30年物のTIPS利回りも1週間強ぶりの高水準を付けた。
実質金利上昇は、債券保有者がインフレとそれに対応する金融政策から二重の苦しみを感じていることを浮き彫りにする。FOMCが利上げペース減速を示唆した一方で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はインフレ抑制に必要な水準まで利上げを推し進める用意があることを明確にした。
この結果、市場が織り込む利上げ予想は引き上げられて債券は幅広く売られたが、インフレ期待を反映するブレークイーブン・レートの抑制にも寄与。米金融当局の引き締め策が狙い通り消費者物価の上昇圧力抑制につながるとの若干の信頼感が示唆された。市場の関心は4日発表の10月の米雇用統計に移っており、金融政策が賃金や失業率に影響を及ぼしているかどうかに注目している。
原題:US Real Rates Jump as Fed Flexes Its Inflation-Fighting Muscles(抜粋)
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著者:Ben Purvis
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