旅行会社が明かす「夜行列車ツアー」高いハードル 鉄道会社に理解者がいないと企画が進まない
夜行列車ツアーは、全体にリピーターが多いとのこと。秩父夜行に参加した人が、大井川鉄道の夜行列車にも参加してくれたりなど、企画そのものが受けている。そこにファンがついた。
――今後やってみたいところは?
「真岡鉄道ですね。DE−10型と50系客車を3両持っているので。これはまさに40~60代がよく乗った組み合わせ。昼間にこの編成で走ることは多いのですが、夜行ではまだありません。あと、オハネフ25が1台あれば、そうとう話題になるだろう、と考えたりもします。大井川鉄道に10系客車という旧客車の寝台車があり、博物館に保存されているのですが、それを動かすことができれば……など、夢は大きいです」
夜に走らせるほうが付加価値は高い
一度ツアーをやって成功すると、次の企画へのハードルはものすごく低くなる。鉄道会社に対して、実績を積むことが大事だそう。
「一定の運営のノウハウが必要ですが、日本旅行は経験を積んでいるので、旅行商品の造成をお任せいただければ、鉄道会社とお客様のニーズにあった商品を提案できます」と山中さんは自信を持って話す。
確かに客車列車は、昼間に走らせるより、夜走らせるほうが、付加価値は高い。普通に乗ったら数千円で乗れるものを、夜は10倍の数万円出してもらうわけで、しかも一定の固定需要がある。
夜行企画は、旅行会社にとっても鉄道会社にとっても、有望な市場であると言えるのではないだろうか。
夜行列車の復活を切に願う私にとっても、夜行列車はどんどん走らせてほしいところである。
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