「香川」観光客多いのにタクシー業界が苦悩する訳 うどん以外の魅力も着実に浸透しているが…

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タクシー協同組合の専務によれば、県下には75社(協会加盟は74社)、1466台のタクシーが登録されているという。そして、香川の実情をこう捉えている。

「われわれも香川は観光客誘致に注力しているという認識です。立地的に四国旅行の拠点となることもありますし、アートを目的とした女性客の来県も多い。コロナ前はインバウンド客のチャーター便を増便させていたほどですが、現在の観光は国内が大半で、関西や中四国などからが中心です。観光客の動きがさかんなのは高松市、丸亀、善通寺あたりで、小豆島や直島への交通もタクシー利用が多いですね」

観光客にとって“引き”となっているのはやはりうどんの存在だ。香川観光では90分~2時間で3~4件をハシゴするようなコースの人気が高いようで、タクシーでもそんな打ち出しを行う会社も珍しくない。

協会のホームページを確認すると、「さぬきうどんタクシー」として活動する会社は県下でなんと23社ある。人気うどん店がある坂出駅でタクシードライバーに話を聞いても、「だいたいの方から『美味しいうどん屋は?』と要望が多いので、みんなうどん案内はやっている」という。

うどん屋に並ぶ人たち
行列ができるうどん屋(筆者撮影)

手打ち試験を課すタクシー会社も

その中で商標登録を取るまでの力の入れようなのが、「琴平バス」が企画するうどんタクシーだ。同社でうどんタクシーの案内人になるには、筆記、実地試験に自ら手打ち試験を突破する必要がある。

現在7人いるというドライバーたちは、暇さえあれば自ら足を運び下見を重ねる。中には県下で600とも言われるうどん屋を半分以上食している強者もいるというのだ。琴平バスで広報兼女性ドライバーとして働く、友成純さん(40)がこう話す。

「利用されるのは『時間をできるだけ有効に使いたい』というお客様です。私たちは時間帯によるお店の混雑具合や交通量も把握するため、できるだけ多くのお店を案内することを意識してきました。平均的には2、3件ですが一番多い方だと3時間で7件という方もいましたね(笑)。

弊社では約20年前にこの事業を始め、コロナ前の繁忙期で30組、通常月で20~25組程度の利用がありましたが、今はその半分くらいに落ちている。いかに集客につながるか、という課題のためにSNSやYouTubeも積極的に活用している最中です」

うどんタクシー
「うどんタクシー」の案内人は現在7人(写真提供:琴平バス)
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