日銀が金融緩和策を変更すると一体どうなるのか 一歩間違えば円大暴落だけでは済まない事態に

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青色新総裁は、最初に政策決定会合でYCCのターゲットを0.25%上げた。指し値オペは0.5%で行ったが、連日はやめ、不意打ちに変更した。そして、無制限ではなく、大規模でない買い入れ額に設定した。売りが殺到しても、売り手は全額を売り切れるわけでなく、割り当てとなったために、空売りにはリスクが伴うようになった。

一方、日銀の買い入れは、限定された金額の指し値オペと、通常の買い入れ額を指定したオペを併用し、かつ不意打ち戦略を取った。市場の混乱、ある程度の乱高下は受け入れつつも、ともかく投機的取引に対するリスクを高めて、投機家を追い出すことを最優先にした。

さらに青色総裁は、官邸、財務省とも「あうんの呼吸」で買い入れを行った。

ドル円相場は、ドルの金利上昇一服により落ち着いていたが、日本国債市場の乱高下により、また円安へ向かい、為替市場も激しく乱高下し始めた。

これを抑えるために、財務省は円買い介入を行った。しかし、これは2022年秋の介入とは異なり、日銀の政策変更または国債買い入れと連動していた。

日銀が利上げを発表した直後に、円買い介入を大規模に行い、円はそのたびに大幅に上昇し、乱高下しつつも円は値上がりしていった。また、日銀が買い入れオペを通告した直後にも、小規模の介入を行った。

青色総裁は官邸・財務省と危機を乗り切った……

この結果、市場では、日銀の買い入れオペごとに介入期待が高まり、円は上昇していった。買い入れ額が小さくとも、介入額が小さくとも、相乗効果とアナウンス効果、投機家の深読み効果で、買い入れ、介入の効果は倍増した。

青色氏の評判は、利上げ当初は賛否両論だったが、次第にメディアも称賛するようになり、青色氏は中央銀行総裁として、世論も市場も支配し始めた。これこそが中央銀行総裁として重要なことだった。黒田東彦氏の就任当時と政策の方向は異なっていたが、支配という意味では似たような状況だった。

だが、青色氏は「その先」を考えていた。いずれ、世界は大不況になる。そのときにこそ、本当の日本経済の危機がやってくる。そのときに、金融政策、中央銀行への信頼が十分にある状態にしておかなければならない。自分の名声に酔うどころか、さらに気を引き締めていたのであった……。

小幡氏は、ここで目を覚ました。

はたして、これは悪い夢だったのか、それともいい夢だったのか。正夢だったのか。それともありえない理想を夢見ただけだったのか。青色氏のような人はどこにいるのだろうか……。

いずれにせよ、忘れないうちに、この夢を利用して原稿を書いてしまおう。小幡氏は、ヘッドフォンから流れてくる、ジョルジュ・エネスクのバッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番を聴きながら、筆を進めたのであった……。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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