太陽電池製造装置ベンチャーのエヌ・ピー・シー、全員一致経営で先手打つ下町企業の実力


 セルテスターを展開する独BERGER社や、真空ラミネーターを手掛ける日清紡ホールディングスなど装置ごとにライバルはいるが、エヌ・ピー・シーのように主要な装置をすべてそろえるメーカーは珍しい。ニッチ市場に経営資源を集中する差別化が奏功し、シェアを獲得した。

太陽電池の需要拡大に合わせて成長路線をひた走っているかに見える。が、隣社長は「まだシェアが足りない」と言う。実は新たな脅威が迫っている。低価格の製造装置を武器とする中国メーカーが参入してきたのだ。「日本勢はあらゆる業種で、新興国の安い製品に打ち負かされてきた。今はコピー製品のようなものを出しているにすぎないが、新興国を見くびってはいけない。技術でも必ず追いついてくる」(隣社長)。

新興国メーカーの台頭に備え、先手を打つ。これまでは、シェアよりも採算性を重視してきた。受注が予測できたとしても、在庫リスクを軽減するため、実際に注文が入るまで資材を発注しなかったほど。2009年度は営業利益率が18%を超え、過去最高の純利益をたたき出した。

ところが一転、続く10年度は営業利益率6・2%と、前年を大きく下回る実績に終わった。ただ、これは、製品価格を10~20%程度“あえて”下げたため、という。「まずは値段を下げて、シェアを60%まで伸ばしたい。市場を押さえ、値下げしても採算を維持する体質を構築できれば、新興国メーカーよりもさらに安い製品を投入するなど、対抗策を打ち出せる」と、隣社長は説明する。

つまるところ、エヌ・ピー・シーはシェアを取りに行く「コストリーダーシップ戦略」に転じた。低コストを追求しつつ、価格や収益性で競合他社を圧倒する戦略だ。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ドラの視点
  • 精神医療を問う
  • 今見るべきネット配信番組
  • 晩婚さんいらっしゃい!
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
三菱重工と日立 「統合」破談から<br>10年 製造立国の岐路

10年前に統合構想が破談になった三菱重工業と日立製作所。その後両社は対照的な道を歩み、2009年に伯仲していた時価総額は今や日立が大きく上回っています。本特集では明暗が分かれた三菱重工と日立を主軸に、製造立国・日本の生きる道を探りました。

東洋経済education×ICT