豪華列車「雪月花」、強気の5000円値上げの勝算 えちごトキめき鉄道が食事をリニューアル
今回のメニューリニューアルに際しては、地元の幾つもの会社から参画を求める声が上がったといい、その中からまず4社が10月からの新メニュー作りに取り組んだ。それぞれが「雪月花」のコンセプトに沿いながら、独自の趣向が凝らせるように調整が行われたのはもちろんである。
4つのコースともメインとなる料理は3段重ねのお重に詰められて提供される。どのコースの料理も贅が尽くされ、ズワイガニ、和牛など地産の食材が、地元の生産者とのタイアップによって安定供給される。このあたりは個人が経営する飲食店とは異なるプロジェクトならではの妙味というところだろうか。
そして、メニューの中での魅力的なアクセントとなっているのが、すべてのコースで食事のアフターに提供される「法王のティラミス」だ。これは2019年11月にバチカン大使館で行われた昼食会でローマ教皇にも提供されたティラミスを再現、さらにカスタマイズしたもので、地元・新潟で作られたチョコレートと、やはり地元・上越産の甘麹蜜(あまこうじみつ)を使用。砂糖とは異なる上質な甘さを湛えたスイーツが、艶やかな食事を締めくくってくれる。
雪月花だけの特別な体験を
「今回、デザートに『法王のティラミス』をチョイスしたのは、お客様に『雪月花』だけの、特別な体験をして頂きたいという考え方からです。デザートについては『雪月花』の赤い車体とも足並みを揃えるようにして見た目にも楽しくデザインし、デザートといっても、単にコースの最後につけられたものというだけではなく、それだけでも十分に楽しめるものとするよう考えました」と、今回のリニューアルのアドバイザーを務めた萩原勇作氏は説明する。
萩原氏は千葉などでイタリアンレストラン「オリベート」を展開。地産の食材を活かしながら、それに加えてフードロスのない食の在り方を問い続けている。そのかたくなな姿勢があったからこそ、今回の「雪月花」とのコラボレーションが実現したといえるだろう。
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