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インボイス来秋導入で大混乱!苦闘する税理士 中小事業主は大手との取引継続に不安抱える

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いよいよ2023年10月から導入される「インボイス制度」。売り上げ1000万円以下の業者は、インボイスを発行できる”課税事業者”にならないと、納入先の大手から取引を継続してもらえるかわからない。

INVOICEとTAXが印字されたブロック
売り上げ1000万円以下の場合、免税事業者か課税事業者かを迫られる(写真:masa / PIXTA)

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今、企業にとって税で緊急な課題が、「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)と「改正電子帳簿保存法(電帳法)」だ。中小零細企業は危機感を抱いていないが、これがスタートすると経営の大変革を迫られる。経営者の多くは、「顧問税理士に任せている」と言うが、現実的には税理士も同様に苦戦している。

実際、インボイス制度に対応できないと、消費税では余計な負担を強いられる。例えば小売業の利益率は10~15%だが、消費税は10%だから、何もしなければ利益のほとんどを持っていかれてしまう。改正電帳法で新たな設備投資が不可欠になるのも疑いない。

スケジュールについては、インボイス制度が2023年10月1日からの予定で、改正電帳法はもう今年1月1日から始まっている。ただ電帳法の場合、対応するのに時間がないことから、義務化された部分には実質2年間の猶予期間が設けられた。

届け出は2023年3月末まで、導入は10月1日から

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日程を見る限り、インボイス制度導入まで1年あるが、事前にすべき税務署への届け出は23年3月31日までと、残り半年を切っている。ところが届け出状況は鈍く、国税庁によると、今年9月末で約120万件にすぎない。登録が見込まれる事業者数は約300万社とみられ40%の水準だ。中小零細企業に絞れば未登録は60%超に上るというデータもある。24年1月からは改正電帳法も猶予期間が明けて完全施行される。

そうなると、経営資料などを電子データで保存し、請求書などのやり取りをメールで行ってるケースでは、嫌でも電帳法に対応しなければならない。もはやほとんどの会社が該当するだろう。

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