弁護士業界は寡占化が進む。5大法律事務所のトップ、西村あさひは600人以上の弁護士を抱える。過払い特需で急成長しているべリーベストやアディーレも若手弁護士を大量採用中だ。
弁護士業界では現在、5大法律事務所(西村あさひ、TMI総合、アンダーソン・毛利・友常、森・濱田松本、長島・大野・常松)が大きな勢力である。合併を繰り返して今の姿になった。
核となる事務所はおおむね1970年代初頭までに誕生。再編史では合併に加え分裂も多い。中でも西村あさひのルーツである西村法律事務所は、5大事務所のうち3事務所の源流だ。TMIや、アンダーソン・毛利・友常の前身である友常木村も、西村から分裂した事務所が源になっている。
ちなみに森・濱田松本の前身である濱田松本は、アンダーソン・毛利・ラビノウィッツから分裂した事務所が源流である。
2000年代前半に進んだ再編では、当時の3大事務所(西村総合、森綜合、長島・大野)が、知的財産や倒産法など専門領域に特化した事務所を統合し、大企業向けにほとんどの法務ニーズに対応できる体制を整えた。再編劇は07年で一服。その後は各事務所が所属弁護士数を増やし、業務を拡大する動きが定着している。
台風の目は”ベンチャー製造機”のTMI
弁護士の業務は労働集約型であるゆえ、規模は所属弁護士数を基準とするのが一般的である。
つねにトップを守り続ける西村あさひは例外で、残る4事務所は近年順位が変動している。
台風の目は最後発で4年前まで5位だったTMIだ。直近では西村あさひに次ぐ2位に急上昇した。アンダーソン・毛利・友常、森・濱田松本、長島・大野・常松がその後に続いている。
一方、06年の最高裁判所判決で火がついた“過払い金返還請求”特需は新興勢力を生んだ。
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