大人が学生時代と同じ勉強法では結果が出ない訳 学び直したい社会人が失敗しがちな脳の使い方

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(イラスト:うのき)

脳力を体力にたとえてみましょう。子どものときと今を比べて、どちらが体力があったでしょうか? 子どものときですよね。学生時代のほうが圧倒的に体力があり、どんなに動いても疲れにくいし、ちょっと休んだだけで回復できる身体を持っていました。しかし、たしかに体力はありましたが、できることは限られていなかったでしょうか。

脳の最盛期は40代後半〜50代に迎える

体力が有り余る5歳児も、時速100㎞の球を投げることはできません。陸上でもテニスでも野球でもサッカーでも、プロアスリートは体力があった高校時代よりも、大人になってから全盛期を迎えます。自分史上一番の記録が生まれるのは、体力があった若い頃よりも、大人になってからです。脳力も体力と全く一緒です。

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若いときのほうが、たしかに元気だったかもしれませんが、本当の脳力を発揮できるのは、大人になってから。頭がよくなるチャンスは、大人になってからのほうが多いのです。脳が成人を迎える30歳を境に、脳の機能はどんどん成長していくため、本来の脳の力を発揮できるようになります。そういうわけで、学生脳と大人脳を比較すると、大人脳に軍配が上がります。

もし、前述のように「昔は勉強したいなんてちっとも思わなかったけれど、今は学び直したいなぁ」と思っているならば、それは、脳がしっかりと成熟している証しです。学びたいという意欲は脳にとって最高のご馳走。この機会を逃さず、今のあなたの脳が喜んで働くようになる勉強法を身につければ、まさに鬼に金棒です。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。著書に、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるもっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)など多数。

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