「車は減速」「暖房19度」仏節電対策の中身が過酷 ガス危機で始まる「寒くて暗い」省エネ生活

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国内で最も多くのエネルギーを消費している組織の1つである政府は、率先して節制に取り組むことで模範を示そうとしている。

フランス政府は国内の建物の3分の1近くを所有・運営し、年間20テラワット時という途方もない電力を消費している。スタニスラス・ゲリーニ公共改革・公務員相は6日、これはパリの年間消費量に匹敵する電力だと述べた。

政府はエネルギー消費量を、中規模都市の使用量に相当する2テラワット時削減する計画だとゲリーニ氏は語った。

国営美術館、議会議事堂、中央銀行など全国にある多くの公共施設はすべて暖房温度の上限が19度に設定される予定。公共の建物のトイレではお湯も出なくなる。

車も速度を落として走ることに

公務員が勤務時間中に高速道路を運転するときは、燃料を節約するため最高時速を130キロメートルから110キロメートルまで落とさなくてはならない。公人は、4時間以内の移動なら飛行機ではなく、鉄道を使うよう求められる。

商店、ショッピングセンター、大型小売店は、電力逼迫(ひっぱく)時には暖房温度の上限を17度まで下げ、宿泊施設も客や従業員が少ないときには同様の行動をとるよう要請される。また、小売店や飲食店、ホテルは深夜12時までに消灯しなければならなくなる。

LVMHやグッチといった高級ブランドの巨大なファッション広告をはじめとするパリの一等地のイルミネーション広告も、午前1時〜午前6時だけではあるが、明かりを消すことが求められる。これに対し、ドイツでは今年の夏から午後10時以降のイルミネーション広告は禁止となっている。

パリ市ではアンヌ・イダルゴ市長の節電努力の一環として、エッフェル塔の消灯は午前1時から午後11時45分に前倒しされ、シャンゼリゼ通りのイルミネーションも減らされる。フランスの町や都市の多くは街灯を午後11時に消すようになっているが、パリでは安全のため街灯はつけたままにするとイダルゴ氏は語った。

(執筆:Liz Alderman記者)
(C)2022 The New York Times

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