有料会員限定

自然災害多発で全国に、「被災ローカル線」の命運 復旧できず不通のまま廃線になるケースも

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
拡大
縮小

被災鉄路の復旧を阻むのは、巨額の工事費用だけではない。

被災してひしゃげた線路
JR瀬戸石駅の被災状況。ひしゃげた線路が被害の大きさを物語る(記者撮影)

特集「岐路に立つ鉄道」の他の記事を読む

JR肥薩線の瀬戸石駅があったはずの場所では、ホームは流失して駅は跡形もない。めくれ上がった状態の線路が連なるのみだ。2020年7月3〜4日の豪雨(令和2年7月豪雨)による球磨川の氾濫で、肥薩線の八代─吉松間は致命的な損害を被った。橋梁や築堤の崩壊、駅ホームの流失など被害件数は448件に及ぶ。無残な姿はそのままだ。

熊本県は肥薩線の早期復旧を目標として掲げている。国もその姿勢を後押しする。利用者のことを考えれば一刻も早く復旧されるべきだが、復旧作業はJR九州が単独で進められるとは限らない。例えば、将来の豪雨に備えた治水対策が定まらないことには橋梁の復旧作業に着手できない。

次ページ利用者は1日平均で1人
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
岐路に立つ鉄道
歓迎ムードに沸く地域と懐疑的な街の温度差
仙台以北の鉄道貨物が消滅する可能性も?
1973年に決定された全国11の「基本計画線」
復旧できず不通のまま廃線になるケースも
JR旅客6社「平均通過人員」1000人未満の線区
今や全国約1200カ所、民間が隣接ホテルも展開
JR3島会社に打撃、高速バスとは連携の動きも
事業者の「自助努力」での維持には限界がある
「民間に任せているだけでは今後厳しくなる」
車両やダイヤなど、資産と知見をフルに活用
運賃改定のほか「バリアフリー料金」上乗せも
人口減少時代の交通機関、国全体で考える必要
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内