被災鉄路の復旧を阻むのは、巨額の工事費用だけではない。
JR肥薩線の瀬戸石駅があったはずの場所では、ホームは流失して駅は跡形もない。めくれ上がった状態の線路が連なるのみだ。2020年7月3〜4日の豪雨(令和2年7月豪雨)による球磨川の氾濫で、肥薩線の八代─吉松間は致命的な損害を被った。橋梁や築堤の崩壊、駅ホームの流失など被害件数は448件に及ぶ。無残な姿はそのままだ。
熊本県は肥薩線の早期復旧を目標として掲げている。国もその姿勢を後押しする。利用者のことを考えれば一刻も早く復旧されるべきだが、復旧作業はJR九州が単独で進められるとは限らない。例えば、将来の豪雨に備えた治水対策が定まらないことには橋梁の復旧作業に着手できない。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら