個人投資家はアメリカ株下落にどう対応すべきか 「難しい10月相場」をどう乗り切れば良いのか

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そこに、英国のイングランド銀行が、10%前後のインフレを抑えようとして利上げをしている最中にもかかわらず、国債売却をいったん中止、逆に長期国債の買い入れを発表するという衝撃的なニュースが伝わった。

この英国の対応は、マイナス金利で金融緩和を続ける日本の投資家に、気持ちの悪さを与えた。日経平均株価も、投資家(買い方)の気持ちを打ち砕くような大きな下げとなった。

しかし、イングランド銀行が政策金利の引き上げを決定した直後にトラス新政権が財政刺激策を発表するというチグハグさが目立つ英国とは違い、日本は日本銀行・岸田政権が結束して金融緩和を続けている。確かに為替介入は不評だが、あくまで急速な円安に対して実施したのであり、ソブリン(国債)危機を引き起こすような「流れに逆らう本格的な円安対策」ではない。

10月相場はどうなる?

さて、3日からはいよいよ名実ともに10月相場が始まる。今月の相場スタートは3日だが、市場では昔から「2日新甫(月の最初の取引日)は荒れる」といわれる。では、3日新甫ならもっと荒れるのだろうか。

すぐ10月4日には「投資の日」が控えているが、実はこの投資の日と年末を比べると、このところは圧倒的に年末高となっている。2013年からの勝敗はなんと8勝1敗で、年末高に軍配が上がる。

今週(3~7日)も気の抜けない週になりそうだ。最近のコラムでは毎回のように「今週は気の抜けない週」と言っており恐縮だが、今週はいつもより「面白い週」ともいえる。

どういうことか。予定表を見ると、日本では日銀短観が発表になる「3カ月ごとの初週」(ただし12月調査は同月中旬発表)。また、アメリカでも9月雇用統計が発表され、ISM製造業・非製造業景況感指数が出るのも同様だ。

ただし、今週は「ノーベル賞の発表週間」でもある(10日まで)。報道されているように、今年も日本人受賞の可能性がある。また、1日から始まっている中国国慶節の祝日休場で、今週は上海・深圳市場での立ち会いがない。

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