店先も吹っ飛んだ「米最悪級ハリケーン」の恐怖 最悪のシナリオは回避したが家屋倒壊、停電も

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州の観光産業の中心であるオーランドでは、周辺のオレンジ郡の市長が、予測されていた2フィートの雨の約半分しか降っていないと述べ、ディズニーワールドではテーマパークが30日に段階的に営業を再開すると発表した。

とはいえ、オーランドのリオ・ピナール・エステート地区は、市長が説明したように"巨大な湖"になっており、20万人の住民が停電の影響を受けていた。平屋建ての広い牧場のような家々は、多くは水に浸かってはいるが、沈んでいない。道路では、場所によっては3フィート以上の深さがあるように見えた。レスキュー隊がボートで住民を救出した。

午前11時頃、浸水した地域に住むアバ・キングは、水に突っ込んでくるピックアップ・トラックの運転手に向かって、「私ならやらない」と大声で叫んだ。トラックはヘッドライトまで水に浸かっていた。トラックはゆっくりと後ずさりした。

泳いで隣人の家まで行った

彼女の家は停電しており、床にはタオルが散乱していた。屋内の浸水が少しあり、家の裏手を流れる小川は溢れて、水が裏庭全体に広がっていた。キングの近所に住むジェシカ・マーフィー(39歳)は、ソファに寝そべっていた。彼女は2軒先に住んでいたのだが、キングの家までは泳いで行かなければならなかったと話す。

「夜の12時頃、水が入ってくるのに気づきました。午前3時までには、膝まで浸かっていました」とマーフィーは語った。家の中には彼女1人で、3人の子どもは元夫と一緒にいた。電気コンセントに水が入るのを心配した彼女は、苦労して電気を止める方法を見つけた。「家にいるのが最も安全なのか、避難するのが最も安全なのか分かりませんでした」と彼女は話した。そして、キングに電話をかけ、彼女の家に行くことを伝えた。

「玄関から出ようとしましたが、ドアの反対側の水が多すぎて開きませんでした。なので、家の正面側にある子ども部屋の窓から出なければなりませんでした」とマーフィーは語る。

自分の家を修理して再び住めるようになるまで、どれくらいの時間がかかるか彼女には分からなかった。そして、当面は父親と一緒に暮らすつもりだと言った。「父は大丈夫です。まったく水の被害を受けていません」と、マーフィーさんは父親の家の状況についてこう語った。

(執筆:Richard Fausset記者、Campbell Robertson記者、Shawn Hubler記者)

(C)2022 The New York Times 

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