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メタバースが「車のデザインを変える」は本当か 開発手法が変わって「より売れる」デザインに

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  • 三浦 太郎 インテージ 自動車アナリスト
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メタバースが何なのかという説明については「メタバースで『クルマ買う』はリアルな話なのか?」に記しているが、さまざまな定義が存在する。ここでは厳密な定義に深入りすることは避け、「アバターを介したコミュニケーションや表現活動、経済活動のできるデジタル空間」としておく。

メタバースでクルマのデザインを問うと、先の3つの課題はそれぞれどうなるのだろうか。まずは「好みと感性」から。

メタバース内であろうと、当然ながら好みと感性は存在する。しかし、メタバース内ではリアルな世界と異なり、一度に10パターン以上の評価も可能かもしれない。

リアルな世界では、「デザインクリニック」と呼ばれる調査手法で、数十~百人の被験者を集めて数台のモックアップや試作車を見せ(ときには触ってもらって)、評価を取るのが一般的だ。

リアルなモックアップ(クレイモデル)は1台作るだけでも工数・コスト・時間がかかる(写真:トヨタ自動車)

そのほか、Webで画像や動画を見せ、被験者を会場に集めることなく調査するパターンもあるが、いまいち情報が伝わらない問題がある。

これが、メタバース内でできれば、リアルと遜色のないクルマを3Dで表現することができ、場合によってはクルマに乗り込んでのインテリア評価まで行うことも可能だ。そして何より、物理的に車を並べるわけではないため、会場での調査と異なり、多くの試作車を見てもらうことができる。

メタバースならデザイン変更も簡単

続いて「すぐに作れない/変えられない」であるが、リアルの世界と異なり大きくスピードが上がり、そして同時にコストは下がることが期待される。

もちろん3Dモデリングのスキルを持つ者は限られるが、開発やテストの効率はリアルの世界より大きく向上する。つまり、デザイン変更が簡単になるというわけだ。複数のデザインを同時に販売することもできるかもしれない。

この手法はインテリアデザインの評価にも応用できる。

「シエンタ」のインテリア初期スケッチ(写真:トヨタ自動車)

将来的に触覚までフィードバックできるようになれば、インストルメントパネルの質感やシートの座り心地の評価も可能となる。またメタバースなら、色や素材を瞬時に変更して見せることもできるだろう。

最後の「ROIの計測が困難」に対しては、メタバース内でアイテムとしてクルマを売り、それをリアルな世界での販売に向けたテストとして位置づける案を提案したい。たとえば、複数のデザインパターンを用意し、それを日ごとに差し替えながら売れ行きを見ていく、といった具合だ。

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