メタバースが「車のデザインを変える」は本当か 開発手法が変わって「より売れる」デザインに
新車を購入するときには、さまざまな検討要素がある。中でも大きなものは「予算(価格)」「ボディタイプ」「メーカー」、そして「エクステリアデザイン」である。
順番に考えてみよう。まず「予算」であるが、これは言わずもがなだ。残価設定型クレジット、リース、サブスクなど、いろいろな購入/所有の形態はあるが、ない袖は振れない。次は「ボディタイプ」だ。
こちらは家族形態やライフステージ、駐車場サイズや自宅周辺の道路環境、維持費などの観点で、購入を検討する時点でだいたい決まっていることが多い。たとえば、ファミリー層であればミニバンや軽自動車のスーパーハイトワゴン、3列SUVといったあたりが、自然と候補になる。
続いての「メーカー」は、予算やボディタイプと少し性格が異なるものだ。初めから「メーカーが決まっている人」と、メーカーに特にこだわりのない「未定の人」の大きく2つにわかれる。
最初から「メーカーが決まっている人」は、「トヨタの中から考える」というような人のこと。
トヨタは、こうした人たちに対応するラインナップ戦略をとっており、ミニバンだけでも「シエンタ」から「ノア」「ヴォクシー」「アルファード」「ヴェルファイア」まで、大小を取り揃える。マツダやメルセデス・ベンツのSUVラインナップも、このパターンだ。
一方、メーカーへのこだわりのない「未定の人」は、主に予算とボディタイプから条件にあう車種を比較検討し、その中から“好みの1台”を選び出す。
“好みの1台”の決め手はデザイン
では、その“好みの1台”を選ぶ決定打となるものは、なんだろうか。同じボディタイプで費用的にも同条件となれば、「エクステリアデザイン」となるだろう。
購入した車の「気に入った点」を調査で聞けば、ほとんどの場合、室内の広さ/荷室の広さ/環境性能/安全性能/乗り心地/静寂性/インテリアデザイン……などの要素を抑えて、エクステリアデザインのスコアがもっとも高くなる。特に価格の高い車種で、この傾向は強くなる。
予算やボディタイプは、自然と決まってくる条件だ。支払える金額は増やせないし、ボディタイプは先に触れたように家族構成などから絞られる。完全に好みだけで選べるのは、エクステリアデザインだけだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら