支持率30%を割り込んだ韓国・尹錫悦政権の現実 労働市場改革と福祉政策拡大で浮揚なるか

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子育て世帯に対する韓国政府の支援策は、大きく「保育料助成」と「養育手当」に区分することができる。「保育料助成」は、「オリニジップ」(子どもの家)と呼ばれる日本の保育所のような施設を利用する満0~5歳の子どもと、幼稚園に通っている満3~5歳の子供がいる子育て世帯に支給される助成金だ。助成額は子どもの年齢により月28万~49万 9000ウォン(約2.8万~5万円)が支給される。

一方、「養育手当」は「オリニジップ」や幼稚園を利用せず、家庭で就学前の子どもを育てる子育て世帯に支給される助成金だ。これも子どもの年齢により月10万~20万ウォン(約1万~2万円)が助成される。さらに2022年からは、出生率の改善と子どもと過ごす時間を増やそうとする親を支援する目的として、満0~1歳の子どもがいる子育て世帯に支給する「養育手当」より助成額を増やした「嬰児手当」を新設、月額30万ウォン(約3万円)を支給することにした。

基礎年金の最大給付額も引き上げられることになった。満65歳以上の高齢者のうち、所得下位70%の高齢者に支給される基礎年金は、これまでの最大給付額月30万ウォン(約3万円)から32.2万ウォン(約3.2万円)に4.71%引き上げられる。

障害者向け福祉も強化

また、障害者を雇用した事業主に支給する「障害者新規雇用奨励金」も障害者1人当たり月30万〜80万ウォン(約3万~8万円)から、月35〜90万ウォン(約3.5万~9万円)に引き上げる。

「障害者新規雇用奨励金」は、新型コロナウイルスの影響により就職が難しくなった障害者の雇用を支援するために2022年から3年間限定的に実施される制度。障害者を雇う義務がない常時労働者数5人以上50人未満の事業主が、2022年1月以降障害者を新しく雇用して6カ月以上雇用を維持した場合に支給される(最大2人に対して12カ月まで支給)。

障害者に対する支援も強化される。低所得障害者に支給される障害手当は最近の物価上昇を反映して、月4万ウォン(約4000円)から6万ウォン(約6000円)に、また、満18歳以上の重度の障害を有する者に支給される障害年金は月30.8万ウォン(約3.1万円)から32.2万ウォン(約3.2万円)に引き上げられる。障害手当の引き上げは2015年以降8年ぶりだ。

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