ビジネスクラスでの空の旅は一般的にはぜいたくだが、今は企業にとってもかなりの負担となっている。新型コロナウイルス禍を経た旅行需要回復で航空運賃が急上昇しているためだ。
例えば、ニューヨークとオーストラリア最大の都市シドニーを結ぶ便のビジネスクラス往復運賃は2万ドル(約288万円)を超える場合がある。コロナ前の約2倍にもなりかねない状況で、出張管理CWTのエグゼクティブバイスプレジデント、ニック・ボウナキス氏は「明らかな需要超過だ」と指摘、「いずれかの時点で企業はもうたくさんだと言うことになる」と話す。
コロナ関連規制の緩和が世界的に進み、旅行需要は急増。旅客機の運航を増やし、乗務員の確保に動いている航空各社だが対応が追い付かず、燃料コスト高も運賃上昇に拍車をかけている。
CWTと業界団体グローバルビジネストラベル協会(GBTA)によれば、ビジネスクラスの運賃は今年45%、来年さらに6.2%の上昇が見込まれている。
高額運賃に企業が二の足を踏んでいるのか、出張の回復ペースは鈍く、コロナ拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)前の水準にはまだ戻っていない。航空会社にとってはありがたくない状況を指摘するのは、旅行関連ソフトウエア会社トロンデント・デベロップメントだ。出張旅客は搭乗者数の12%に過ぎないが利益の75%を占めるという。