3万円台の新アップルウォッチで見えた「本気度」 「Apple Watch SE」「Series 8」実機レビュー
Series 8の差別化要因は、心電図の計測、後述する新たな温度センサー、そして光学式心拍センサーが第3世代にアップグレードされている点、さらに、縁取りがより狭くなり常時点灯に対応したディスプレー、アルミニウムケースに(PRODUCT)REDモデルが用意されるほか、高級感あるステンレスケースが選べる点が挙げられる。
裏を返せば、これらのセンサーや計測機能がまだ必要ないという人にとっては、性能が向上したApple Watch SEが必要にして十分な製品と位置づけることができる。
Appleの決算発表などでたびたび指摘される数字だが、現在Apple Watchは3分の2が新規購入者となっており、ユーザー数が増えている状況が続いている。日本の小売店でも、iPhoneよりも台数が売れており、Apple Watch SEはその台風の目に当たる製品だ。
その製品の基礎体力を高め、Apple Watch体験の入り口をより軽快かつ快適に実現できるようにする点は、正しい戦略だと感じる。
より飛躍を遂げる「Series 8」
入門的な役割をSEに任せられるようになり、Apple Watch Series 8にはよりアグレッシブな機能強化を施している。温度センサーを搭載した点は、女性だけでなく男性を含む夫婦の問題にとって一石を投じる。
Apple Watsh Series 8の画面側と裏側には1つずつ温度センサーが入っている。これを用いて計測できるのが「皮膚温」だ。体温や体温計としないのは、この機能が自分の好きなときに体温を計測できるものではないからだ。
皮膚温、しかも腕の皮膚の表面温度は、体の深部の温度(体温)よりも低くなり、体温を反映するわけではない。同時に、その人がいる場所の気温にも左右され、そうした環境がめまぐるしく変わる人が活動している日中は、体温を測るにはあまりにも不正確となる。
そこでアップルは、寝ているときの体温の変化の5日間計測することで、皮膚温の変化のデータを表示することができるようにした。特に女性の排卵予測に関するデータは、10日間の計測の後表示され始める。この機能は、いわゆる妊活をしている女性や夫婦にとって、大きな省力化とストレスの軽減につながる。
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