路線や列車名、エリザベス女王と鉄道の深い関係 即位70周年に開業の新線や日立製高速車両にも
70年の長きにわたってイギリスの国家元首を務めたエリザベス女王が9月8日午後(現地時間)永眠した。96歳という高齢であったが、直前まで積極的に公務を務めていた。
イギリスの歴代君主として最長の在位期間となった女王は、同国の鉄道の歴史にも少なくない関わりがあり、路線名や車両愛称にその名を刻んでいる。女王と鉄道にちなむエピソードを紹介したい。
女王にちなむ2つの路線
ロンドンには、女王に由来する路線名の鉄道が2つ存在する。1つは即位70年の今年開業した「エリザベス線」だ。
女王は今年6月、即位から70周年の節目を迎えた。イギリスではこれを「プラチナジュビリー」と呼び、大規模な祝賀行事が催された。テーマカラーを紫色と定め、国内のあらゆる場所で紫色をモチーフとした彩りのエンブレムが飾られるなどした。
その直前、5月24日に「クロスレール」の名で建設が進められていたロンドン市街地の地下を横断する鉄道が開業した。この路線は女王の名を取って「エリザベス線」と命名。プラチナジュビリーに先立ち、路線のイメージカラーを紫色と定めた経緯もある。
同線は本来なら2019年12月開業予定だったが、工事の遅れや信号システムの調整などさまざまな問題が積み重なり、結局2年半近く遅れた。ただ、結果的にはプラチナジュビリーの年に開業することとなった。女王は開業日の1週間前、5月17日に開かれた開通式典に元気な姿でサプライズ出席。市民を大いに驚かせた。
もう1つの路線は1977年に開業した「ジュビリー線」だ。こちらの路線イメージカラーは銀色で、これは開業年が女王の即位25周年を祝う「シルバージュビリー」の年に当たったという事情による。
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