路線や列車名、エリザベス女王と鉄道の深い関係 即位70周年に開業の新線や日立製高速車両にも
ジュビリー線は、「ビッグベン」の愛称で知られる国会議事堂の時計台「エリザベスタワー」のほぼ真下を通っている。ただ、同線ウェストミンスター駅の建設で地盤が変化し、時計台はわずかに北西へ傾いてしまった。これが理由かどうか、時計はずれが激しく、補正に大変な手間がかかっていた。
ビッグベンは2017年から4年間をかけて大改修を行ったが、作業中は大きな囲いで時計を見ることができなかった。今年夏には改修も終了、女王の葬儀の際にはその姿が世界中に配信されることになるだろう。
日立製車両にその名を刻む
女王は1975年に生涯で1度だけ日本を訪問している。滞在中には新幹線や近鉄特急に乗車。近鉄の車両は今も現役とあって「女王が乗った」と話題になっているが、2度目の訪日こそ実現する機会はなかったものの、日本由来の列車に乗る機会はあった。
2017年、日立製作所が製造した都市間高速車両(IET)「クラス800」導入記念の一環として、女王と夫君の故エディンバラ公フィリップ殿下が2人で乗車された。列車は夫妻の居所としても使われてきたウィンザー城に近いスラウ(Slough)駅からロンドン・パディントン駅までの区間を走った。
その際は筆者も王室から許可を受け、女王の記念列車乗車イベントに立ち会った(2017年6月20日付記事「『英国お召し列車』に日本製が採用されたワケ」参照)。女王は乗車中、電化区間は電車として、非電化区間は電気式ディーゼル車として走行できるこの車両の技術に興味を示したという。女王夫妻が乗車された列車編成のロンドン側先頭車両には「Queen Elizabeth II」の名が付けられた。ちなみに、もう片側はイギリスの元首として初めて鉄道に乗車したビクトリア女王にちなみ、「Queen Victoria」の名前が冠された。
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